もっと泣け ページ26
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「…プリンなってる。」
「…そう？」
「うん。5センチくらい。」
「そんなに？」
メシのあと、俺がまた家を出るまで ソファー座ってふたりで話してた。
Aの髪見てたら気になった、プリン。
「…美容室いく？」
「…ううん、いい。」
「そ？」
「うん。…めんどくさいから、いい。」
出会ってすぐのAは
大学生だったころのAは
ネイルとかもわざわざ高いとこ行って可愛くしてもらって、美容室だってもちろん
インナーカラーとかしてたの、かわいいって褒めたら喜んでたっけ。
よくわかんねえけどまつげのケアとか
エステみたいな、ああいうのとか
とにかく一生懸命で、俺も、そういうの楽しんで行ってるAを見るのが好きだった。
…好きだったなあ。
「……A、俺仕事行ったら、ちゃんと寝てよ。」
「うん。」
「ここで寝んだったら、落ちないように気つけてよ。」
「わかってるよ。」
「あと、食いたいもんとかあったらラインして。欲しいものも、なんでもいい。」
「うん、ありがとう。」
「この前買ってたアイスもまだ冷蔵庫に」
「わかってるよ、大丈夫大丈夫。」
笑ってると、いつも通りみたいなのに。
テーブルに置いてた、俺のスマホが震える。
多分マネージャーからだ。
そう思って手を伸ばそうとしたら
「……だれから？」
今にも泣き出しそうな声で、Aが俺にそう問いかけた。
その表情が好きすぎて、俺のダメなところが、顔を出す。
「…わかんない、誰だろ。」
「……だれ…」
「……。」
「…もう、会わないって言ったのに。…やっぱり嘘？今から仕事っていうのも、嘘？」
「嘘じゃないって。」
「じゃあラインは」
「ほら、」
「……。」
「マネージャーだよ、ね。泣くなって。」
そう言って涙を拭いてやりながら
もっと泣け、もっと泣け、って
そう思っていた。
そのままキスして押し倒し
やめてって嫌がるAの服を、無理やり脱がす。
首元には、まだ昨日の噛み痕が残っていた。
「もー玲於さん遅刻っすよ。」
0時を15分も過ぎて、乗り込んだ移動車。
ごめんってマネージャーに謝りながら、シートベルトを付けた。
「何してたんすか。もしかして寝てました？髪ボサボサになってますよ。」
「…寝てない。」
「どうせ寝転がってアニメでも見てたんでしょ。」
「…ソファーでメシ食ってただけだよ。」
Aは何が食いたいのかなあ
いつもいつも、俺だけ腹いっぱいになってしまう。
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a - もう何回読んだか分かりません。当時GENEが大好きだった私も今では予定があえばライブに行く程度ですが、未だに何回もきなこさんの作品を読んでしまいます。こんなに大好きだと思える作品は他にありません。当時も今も変わらずいちばん大切な作品です。 (11月26日 9時) (
レス) @page50 id: fb27f2c91a (このIDを非表示/違反報告)
また会いたいです - きなこさんは今は何をされていますか？ (9月26日 19時) (レス) id: e10e58a731 (このIDを非表示/違反報告)
mchar(プロフ) - もう3回くらい読んでます。毎回泣いてしまうし、寝る間も惜しんで読んでしまいます。もう玲於のファンは卒業していますが、きなこさんが書く玲於が好きです。 (7月3日 8時) (レス) @page50 id: 895ee9ba7d (このIDを非表示/違反報告)
ナカム(プロフ) - 後半は特に心がギュッと掴まれて苦しくなっちゃうくらい感情移入してしまいました、、素敵な作品をありがとうございます！！2人の会話のテンポ感と雰囲気がすごく好きでした！！！ (7月3日 2時) (レス) id: a627fc4932 (このIDを非表示/違反報告)
まるこめちーは(プロフ) - やっぱ玲於……カッコイイーーー！！！！！と思いました！笑 長々と失礼いたしました。 (2023年1月27日 19時) (レス) id: 58d12bf03b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこ
| 作成日時：2019年12月1日 22時
