これ以上 ページ23
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2時になった。
ベッドの中、Aはついさっきまで泣いてたけど
ようやく寝てくれて
俺も頭を撫でる手を止め、布団に潜り込んだ。
…キスですら、すげえ嫌がるんだよ
嫌がるくせに、やめると泣くんだよ
どっち？
聞いたら、わからないって。
無理やりなんてしたくなかったのに
俺自身今の状況に満足しすぎてて
なんかもう、何をしても嫌われないってのが
実感できちゃって。
……ああでも、さすがに悪かったな。
あんなに泣いてたのに、俺、最後まで気付かなかった。
…起きたらいなくなってるかも
…逃げないように見張っとこうかな
でも多分、Aが泣くのって
さくらちゃんのこと考えてるからなんだよ。
俺がさくらちゃんと会ってたのとか
こういう、まあ、こういうことを何回もしてたってのを
Aは無駄に気付いてしまったから。
…ほんと、バカなのにさあ
なんでそういうとこだけ気づくかなあ。
けどそのことで、ここまでAが取り乱すとは思ってなかった。
さくらちゃん、Aに自分のことバレないようにしろって頑なに言ってたけど、こうなることが予想できてたのかな。
…いやけど、もし逆の立場だったら
Aがこの4ヶ月間、誰かと一緒にいて 仲良くしてて
そのこと隠したまま、ずっと好きだったなんて、嘘ついてきたら。
…とてもじゃないけど耐えられないな。
俺は一体何をしてんだろう
Aはそれくらい重すぎる苦しみを、こんな小さい身体で抱えてるってのに
俺はそんなAが愛おしくてたまらない。
ずっとそうであってほしいと思ってる。
前の俺らみたいに
寝る前のゲームで喧嘩したり
テレビ見てふたりでげらげら笑ったり
ブログに載せる自撮り選んでもらったり
暇だからってキスしたり
そんな、幸せすぎた頃の思い出と差し違えてでも
いまのAでいてほしい。
何もできないまま、俺のいうこと聞いて
俺が帰ってこないことに不安になって
顔も知らない、他の女の子に嫉妬して
「……大好きだよ、A。」
布団の中で抱き寄せた。
疲れ果てて眠るAは、起きる気配もない。
涙の跡が乾いて、差し込んだ街頭の明かりで 少しだけ光っていた。
それをそっと、指でなぞる。
仕事、全部やめて
何もかも捨てて、俺のとこに来たらいい。
俺たちは、お互いにマイナスの要素しか無いから
一緒にいる理由なんて
一緒にいたいと思ってるから、だけ。
それだけで俺たちは、4年間 一緒にいた。
これ以上重い恋愛がどこにあんだよ。
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a - もう何回読んだか分かりません。当時GENEが大好きだった私も今では予定があえばライブに行く程度ですが、未だに何回もきなこさんの作品を読んでしまいます。こんなに大好きだと思える作品は他にありません。当時も今も変わらずいちばん大切な作品です。 (11月26日 9時) (
レス) @page50 id: fb27f2c91a (このIDを非表示/違反報告)
また会いたいです - きなこさんは今は何をされていますか？ (9月26日 19時) (レス) id: e10e58a731 (このIDを非表示/違反報告)
mchar(プロフ) - もう3回くらい読んでます。毎回泣いてしまうし、寝る間も惜しんで読んでしまいます。もう玲於のファンは卒業していますが、きなこさんが書く玲於が好きです。 (7月3日 8時) (レス) @page50 id: 895ee9ba7d (このIDを非表示/違反報告)
ナカム(プロフ) - 後半は特に心がギュッと掴まれて苦しくなっちゃうくらい感情移入してしまいました、、素敵な作品をありがとうございます！！2人の会話のテンポ感と雰囲気がすごく好きでした！！！ (7月3日 2時) (レス) id: a627fc4932 (このIDを非表示/違反報告)
まるこめちーは(プロフ) - やっぱ玲於……カッコイイーーー！！！！！と思いました！笑 長々と失礼いたしました。 (2023年1月27日 19時) (レス) id: 58d12bf03b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこ
| 作成日時：2019年12月1日 22時
