合鍵 ページ16
.
結局、1時間半くらい経ってしまう。
なんやかんや楽しんでしまって、アルコールもまあまあ入って。
日付けが変わっていることに気付き、勢いよく立ち上がった。
「やばい俺帰るわ。」
「急すぎ！笑」
「ごめんまじで、仕事が、」
「わかったわかった。じゃあまたね。」
適当に金を…と思ったけど、奢るっていう友だちの言葉に甘えた。
店を出てタクシーを拾う。
もういっか、着替えなくても
時間が惜しい。
Aんちの住所を告げた。
取り出したスマホには、怒ったみたいなスタンプが一個。30分前に。
[ もうつく！ごめん ]
送っても既読はつかない。えぇ、寝てないよね？
いやここまで来たら寝てても起こす。
もう仕方ない。
Aって全然男心わかってないんだよな。
いや、無意識に掴まれることはあるけど
そうじゃなくて、なんつーの。
昨日も結局、一人で夜通しアニメ見てた。
俺が隣で寝落ちしても、ガン無視。
そのくせ、なんか画面止まっちゃった、とか言って起こしてきやがる。
多分、何にも考えてないんだろうなあ
…まあそこがいいんだけどさ。
タクシーがとまり、また一段飛ばしで階段を登った。
もう深夜だしと思って、合鍵を使う。
玄関でスニーカー脱いで、リビングへ。
Aはソファーで寝転んでた。
「おまたせ。」
「……待ちくたびれた。」
「…起きてて偉い。」
Aの上にだらんて乗っかる。
重いよってとんとん背中叩かれた。
「わ、…酒くさ。」
「マジ？」
「まじ。早くお風呂に、」
「もーいいっしょ、風呂は。」
「えぇ…」
「いいね、はい、目瞑ってー。」
「や、やだやだ、待って、」
「何。もうじゅうっぶん待った。」
「…おふろ…」
「……くっそめんどくさいなお前。」
ああもう！って立ち上がり、ダッシュで風呂場へ。
途中リビングに向かって、パンツ持ってきてーって叫んだ。
10分もたたずにビショビショのままリビングに戻る。
そんな俺を見て、A、けらけら笑った。
「なに笑ってんすか。」
「だって、パンツ一枚でビショビショで大変だよ。笑」
「うっさい。」
「こんなのファンの子が見たら…」
「ファンの子はこんな俺も好きだから。笑うのお前だけだから。」
「えぇー。でも夢小説には出てこないよ、こんなみっともない玲於くん。」
「じゃあ出すようにツイッターで言っとくわ。」
「意味わかんない。笑」
仕方ないなあって立ち上がったA
洗面所からドライヤーを持ってきた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3212人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
a - もう何回読んだか分かりません。当時GENEが大好きだった私も今では予定があえばライブに行く程度ですが、未だに何回もきなこさんの作品を読んでしまいます。こんなに大好きだと思える作品は他にありません。当時も今も変わらずいちばん大切な作品です。 (11月26日 9時) (
レス) @page50 id: fb27f2c91a (このIDを非表示/違反報告)
また会いたいです - きなこさんは今は何をされていますか？ (9月26日 19時) (レス) id: e10e58a731 (このIDを非表示/違反報告)
mchar(プロフ) - もう3回くらい読んでます。毎回泣いてしまうし、寝る間も惜しんで読んでしまいます。もう玲於のファンは卒業していますが、きなこさんが書く玲於が好きです。 (7月3日 8時) (レス) @page50 id: 895ee9ba7d (このIDを非表示/違反報告)
ナカム(プロフ) - 後半は特に心がギュッと掴まれて苦しくなっちゃうくらい感情移入してしまいました、、素敵な作品をありがとうございます！！2人の会話のテンポ感と雰囲気がすごく好きでした！！！ (7月3日 2時) (レス) id: a627fc4932 (このIDを非表示/違反報告)
まるこめちーは(プロフ) - やっぱ玲於……カッコイイーーー！！！！！と思いました！笑 長々と失礼いたしました。 (2023年1月27日 19時) (レス) id: 58d12bf03b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：きなこ
| 作成日時：2019年12月1日 22時
