元カノ ページ16
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「…え？今なんて言った？」
付き合いだして2週間が経った頃
仕事帰りに寄った悠太の店。
付き合い始めたんだろ！って、悠太にニヤニヤしながら言われて
そうなんだよって答えたら
「え、だから、ほんとに元カノと付き合うことになるとはね、って。」
「…元カノって誰？」
「いやAじゃん。」
「…誰の元カノ？」
「は？俺のだよ！」
何回言わせる？って笑ってる悠太。
その姿を横目に、頭真っ白になる。
え、嘘だろ
Aちゃんって悠太の元カノ？
え？なにそれ？
「言ったじゃん。前に。オープン記念パーティー元カノも来るって。」
「…あぁ。」
「紹介しようか？って言ったら、いいってめっちゃ拒否ってたじゃん、お前。」
ずいぶん前の会話を思い出す。
…言ってたね、言ってたよ。けどさ。
まさかそれがAちゃんなんて、思わないじゃん。
じゃあ、あの日悠太が可愛いって言ってたのも
あれ、Aちゃんのことか。
…そっか。
「てかAから聞いてると思ってたわ。A、お喋りだし。」
在庫のチェックをしながらそう呟いた悠太
Aって、そういえば呼び捨てだよな、ずっと。
元カノか。
お前ら付き合ってたんだ。
高校3年の夏に別れたって
なんだよそれ。
高校の時別れて、それで今でもここで会ってて
俺はそれを知らないまま
好きになっちゃって
「…悪いんだけど、」
「え？」
「俺ら付き合うことになったし、もうAちゃんと連絡取るのやめてほしい。」
「……え？いやいや、俺とAは別に」
「いいからマジでやめて。俺ってそんなに心広くないし、彼女が元カレと会ってるとか、普通に耐えらんないから。頼んだ。」
早口で言い残して、店を出た。
そのままタクシーで、あの小さなアパートに向かう。
合鍵を取り出し、いつも通り、アポ無しで部屋に入って
「わ、びっくりした！来たの？」
「ねえAちゃん、聞いてないってマジで。」
「え？」
玄関から入ってきた勢いそのまま
パジャマ姿の彼女をぎゅうって抱きしめる。
せっけんの匂い。
風呂入ってすぐなんだ。
「…お前、悠太と付き合ってたのかよ。」
「え？神崎くん？」
「…くっそ、その呼び方もなんかムカつく。」
「え、うん、付き合ってた。」
「聞いてないってー…」
全体重かけると、わあってよろけたAちゃん。
そのままふたりで、ソファーに倒れ込んだ。
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mugi(プロフ) - 自分に重なることが多すぎて、感情移入どころではなかったです。素敵な作品いつも有難うございます。 (2019年11月18日 10時) (
レス) id: 4db51b5e5d (このIDを非表示/違反報告)
ゆいあ - きなこさんの作品大好きです！ (2019年11月3日 18時) (レス) id: a624d1b453 (このIDを非表示/違反報告)
_myprince8(プロフ) - きなこさんの作品全て好きです。完結まで結びますように！っ (2019年11月3日 10時) (レス) id: bca9b2866b (このIDを非表示/違反報告)
ゆうか(プロフ) - 私最近の玲於くんの大人っぷりに寂しいって感じてしまい玲於くん見るの少し離れてたんです。だからきなこさんの思ってること同じで嬉しくなりました。今はちょこちょこ玲於くんを応援してるつもりです。笑1日の終わりに読むきなこさんの作品いつも楽しみです！ (2019年11月3日 1時) (レス) id: f500b029ae (このIDを非表示/違反報告)
も。(プロフ) - きなこさんの作品の中で一番好きです。人間味があって執着する玲於ちゃんや空回りながらも同じ思いの主人公ちゃん、すれ違いがもどかしいけど読み応えがあって本当に好きです。完結まで頑張ってください！ (2019年11月2日 9時) (レス) id: db66c21382 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこ
| 作成日時：2019年10月10日 22時
