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一目惚れ ページ5

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「い、いくら?…いくらって?」
「…いくら払えば黙っててくれるんですか。」
「……え?」
「…不祥事。」
「……不祥事。」
「……きみと、僕の、不祥事。…え?きみあのときのコだよね?」
「……。」
「……え、Aちゃんだよね?」

そう名前を呼ばれた瞬間
どきって、心臓が跳ねた。
覚えてくれてたんだ
あのときは呼び捨てだったけど
いまは、ちゃん付け
どっちもいい、どうしよう。

「……あの、聞いてます?」
「……わたし、ずっと会いたくて。」
「……。」
「ずっと会いたかったから、ここでバイト始めたんです。そしたらいつか会えるかなって、…思って…」

言ってる途中で恥ずかしくなる。
やばい、でももう戻れない
ていうか、今を逃したら、もう二度と会えない。
だから精一杯伝えたのに
レオさんは全然動じず、真顔で、わたしを見下ろしてた。
また、しーん てした空気
何か返事してよ、って 必死に目で訴えたら
レオさんはようやく口を開いて

「…そっちか。」
「…え?」
「付き合わなきゃバラされるんですよね。」
「……。」
「…いいです、もう。とりあえず事務所に相談します。連絡先教えてもらっていいっすか。」
「……そうじゃなくて…」
「……。」
「……わたし、ほんとに好きになりかけてて。」
「……。」
「…あなたは芸能人なのかもしれないけど、そういうの、関係なくて、その、」

ちらってレオさんを見上げたら
眠たそうな瞼が、じぃってわたしを見てて
鼻高くて、なにもかも、あのときのままで
…好きになりかけてる、じゃない。
好きすぎる。
まだ2回しか会ってないのに、これが一目惚れ?
変な感じ、自分が気持ち悪い。

「……正直、そういうのは信じられないです。」
「…ほんとなのに。」
「……じゃあ俺どうしたらいいんですか。」
「……まず、お友だちになりたいです。」
「……絶対付き合わないっすよ。俺。」
「……期待してないです。」

…嘘だけど

「……知らなかったんなら、なんか恥ずかしいっすけど、俺、テレビ出たりしてるんすよ。」
「…はい。」
「…だから、こういうふうに女性と関わるの、控えてて。」
「……そこをなんとか。」

小さなため息をついたレオさん
なんでこんなに一生懸命になってるのか、自分でもわからなかった。


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Tatsumi(プロフ) - 初めまして!ただいま、初恋一目惚れして、きなこさんの作品を読ませていただいています。こんなにしっくりくる玲於くんは初めてで、主人公ちゃんのキャラも好きで、今やきなこさんの作品や人間性に惚れ込んでいます。沢山の素敵な作品をありがとうございます! (2020年3月27日 10時) (レス) id: ec055f32e6 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - きなこさんのお話全部読んでます!!パスワードかかってるやつ昔読んだのですがまた読みたいので良ければパスワード教えて欲しいです! (2019年10月6日 12時) (レス) id: 5014defe8e (このIDを非表示/違反報告)
ゆうか(プロフ) - まってました!きなこさん!おかえりなさい!!!楽しみにしてます! (2019年10月2日 7時) (レス) id: b214cb1e69 (このIDを非表示/違反報告)
ChuRa(プロフ) - ハイスピード大歓迎です!きなこさんの書かれる佐野玲於くんが大好きです。更新楽しみにお待ちしております。 (2019年9月26日 12時) (レス) id: 6da9a38d0b (このIDを非表示/違反報告)
ゆりこ - 待ちきれないので毎日更新してください!!!! (2019年9月26日 1時) (レス) id: cb039e5484 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きなこ | 作成日時:2019年9月13日 21時

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