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背中 ページ15

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次の日の朝
アラームの音に起きると、まだ玲於くんは 気持ちよさそうに眠ってた。
この姿に毎回安心する。

昨日の夜、明日も来ていい?って言ってたっけ。
ほんとに来るのかな
あんまり言ってこないけど、ここに来るの、負担になってるんじゃないかな。
玲於くんの白い頬に少しだけ触れて
キスしたいなって思ったけど、やめといた。


そっと起き上がり、身支度を済ませてから朝食を作る。
料理はそんなに得意じゃないけど、玲於くんは、べつにこれくらいでいいって言ってくれる。
美味いものは先輩に食べさせてもらえるから、とか言って。


「玲於くん、起きて。」
「…んー…」
「…遅刻しちゃうよ。」
「…A、今日仕事?」
「うん。」
「……辞めちゃえよ、俺がいんのに。」

玲於くんはたまに、こういうことを言う。
どういう意図で言ってるのかは、わからないけど
仕事辞めちゃえ、っていうのは
わたしが玲於くんにずっと思ってることだよ。
それを簡単に言ってくるの、すごい。
わたしは我慢してるのに。

「…朝ごはん食べる?」
「…うん、…お前のズボラ飯。」
「それ酷くない?この前も言ってた。」
「ふは、そうだっけ?」

そう言いながら起き上がった玲於くんは
前髪掻き上げながら、おはよって呟いた。

「おはよう。」
「あれ?もうメイクしたの。早くね。」
「玲於くんがねぼすけなだけ。」
「お前もなかなかだけどね。」
「最近はちゃんと早起きするもん。」

あくびしながら洗面所に向かった玲於くん
…背中、大きくなったな。
ずっとジムに行ってるのはもちろん知ってるし
ここにも玲於くんが持ってきたトレーニングのちっちゃい器具みたいなの、あるし。

初めて会ったときと、全然違う。
ずっと近くにいたらそうでもないけど
ツアーとかいうので暫く会えなかったりすると
ひさびさに会ったとき、たまに、誰?って思ったりするし。
それくらい、玲於くんは変わってく。
…さみしいな。


そのあとふたりで朝ごはん食べて
うちのクローゼットにある服着て、玲於くんは出てった。
今日はここに直帰しまーすとか言いながら、楽しそうに。

そんな姿をちょっと笑いながら 見送って
わたしも仕事に行く準備

最寄駅から、5駅
そこから徒歩10分
旅行代理店で、契約社員として働いている。



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重たい足→←自由に



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Tatsumi(プロフ) - 初めまして!ただいま、初恋一目惚れして、きなこさんの作品を読ませていただいています。こんなにしっくりくる玲於くんは初めてで、主人公ちゃんのキャラも好きで、今やきなこさんの作品や人間性に惚れ込んでいます。沢山の素敵な作品をありがとうございます! (2020年3月27日 10時) (レス) id: ec055f32e6 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - きなこさんのお話全部読んでます!!パスワードかかってるやつ昔読んだのですがまた読みたいので良ければパスワード教えて欲しいです! (2019年10月6日 12時) (レス) id: 5014defe8e (このIDを非表示/違反報告)
ゆうか(プロフ) - まってました!きなこさん!おかえりなさい!!!楽しみにしてます! (2019年10月2日 7時) (レス) id: b214cb1e69 (このIDを非表示/違反報告)
ChuRa(プロフ) - ハイスピード大歓迎です!きなこさんの書かれる佐野玲於くんが大好きです。更新楽しみにお待ちしております。 (2019年9月26日 12時) (レス) id: 6da9a38d0b (このIDを非表示/違反報告)
ゆりこ - 待ちきれないので毎日更新してください!!!! (2019年9月26日 1時) (レス) id: cb039e5484 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きなこ | 作成日時:2019年9月13日 21時

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