別れたい ページ12
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そのあと家の最寄駅で別れて、アパートにひとりで向かっている時
吉川くんの手の感覚が全然消えなくて、困った。
今日は早く寝て、明日玲於くんに電話しよう
そう思っていたのに
アパートに着いたら、玄関の前で玲於くんが待ってた。
キャップ深く被って ドアのそばにしゃがみ込んで、ゲームしてる。
おせーよって怒られた。合鍵忘れたんだって。
ごめんって謝るけど、なんか、目見れなくて
玲於くんは、こういうのを見落とさない。
なんかあったじゃんって問い詰められた。
なんにもないって言ったら、おまえタバコ臭いよって、早くそれ脱げって
そのあと、誰とメシ行ったの、って。
全部お見通しなんだ
嘘ついても仕方ない
罪悪感に苛まれながら、全部話した。
最近相談に乗ってくれてる、吉川くんのこと
頻繁に連絡取り合ってて、電話とかもしてて
ご飯誘われたから、行ったって
帰り手を繋がれたけど、それは酔ってたからって
言い終わって顔を上げたら、玲於くん、眉間にシワを寄せながら
すごく怒った顔をしてた。
怒ってたし、悲しそうだった。
玲於くんって思わず名前を呼ぶと、スーツのジャケット脱がされて
そのまま抱きしめられた。
ぽかん、てする。
怒られるって思ったのに、なんで？
「…怒らないの？」
「……怒ってるよ。」
「……。」
「…でも、何も言えないでしょ。ここまで放ったらかしといて。…俺の方がごめん。」
そんな言葉に、心が震えた。
嘘でしょ
ごめんって言った？
悪いことしてるのは全部わたしなのに
仕事してる玲於くんが嫌いだなんて言ったり
違う男の人を頼ってしまったり
他にもたくさん、悪いのは全部わたしなのに
ああ、何してるんだろう、わたし
やっと気付いた
別れなきゃ。今すぐ
そっと身体を離すと、玲於くんは不思議そうな顔でわたしを見つめた。
いつもの瞼
今だってもちろん大好きだけど
これ以上一緒にいたら、わたしたち ほんとにダメになるよ
そんなドラマみたいなこと、本気で思って
「…別れたい。」
玲於くんの目が、大きく開いた。
しん、とした空気
寒くないのに、身体が震えて、喉が狭くなった気がした。
「…わたし、玲於くんと別れたい。」
「……なんで？」
「…その方がいいと思う。」
「……吉川くんがいるから？」
「…違うけど、吉川くんも、別れた方がいいって言ってた。」
わたしがそう答えたら
玲於くんは、一度唇を噛んで、言ったの
「……絶対別れないよ。」
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Tatsumi(プロフ) - 初めまして！ただいま、初恋一目惚れして、きなこさんの作品を読ませていただいています。こんなにしっくりくる玲於くんは初めてで、主人公ちゃんのキャラも好きで、今やきなこさんの作品や人間性に惚れ込んでいます。沢山の素敵な作品をありがとうございます！ (2020年3月27日 10時) (
レス) id: ec055f32e6 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - きなこさんのお話全部読んでます！！パスワードかかってるやつ昔読んだのですがまた読みたいので良ければパスワード教えて欲しいです！ (2019年10月6日 12時) (レス) id: 5014defe8e (このIDを非表示/違反報告)
ゆうか(プロフ) - まってました！きなこさん！おかえりなさい！！！楽しみにしてます！ (2019年10月2日 7時) (レス) id: b214cb1e69 (このIDを非表示/違反報告)
ChuRa(プロフ) - ハイスピード大歓迎です！きなこさんの書かれる佐野玲於くんが大好きです。更新楽しみにお待ちしております。 (2019年9月26日 12時) (レス) id: 6da9a38d0b (このIDを非表示/違反報告)
ゆりこ - 待ちきれないので毎日更新してください！！！！ (2019年9月26日 1時) (レス) id: cb039e5484 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこ
| 作成日時：2019年9月13日 21時
