桃色の恋 ページ21
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「や、すみません…わたしの不注意で。」
「いや、まだ57分なのに鍵閉めた僕の責任です、ほんとすみません！」
「そんな、全然…」
恥ずかしい、恥ずかしい
そんなに顔見ないでよーって泣きたくなる。
大学生なのかなあ
ちょっと幼い 奥二重の綺麗な目が、心配そうにわたしを見てた。
「怪我とかされてないですか？」
「はい、たぶん。」
「…たんこぶできたらどうしよう。」
小さくそう呟く彼がおもしろくて、思わずちょっと笑っちゃった。
そんなわたしを見て安心したのか 彼も少し表情を和らげて。
「えっと…まだレジ上げてないので、立ち読みは時間的にアレですけど、買い物…」
「えっ、いいんですか。」
「はい、ぜひ。」
やった、二巻が買える！
ありがとうございます、なんて図々しく店内に入り
少女漫画のコーナーから 例の漫画を探す。
でもたくさん種類ありすぎて全然見つからない。
どうしようって焦ってたら
さっきの彼が、あの、って声かけてくれて
「もしよければ、僕お探ししましょうか。」
「え、」
「バイト2年目なんで、割と把握してます。」
キラキラした笑顔
言うの恥ずかしいなあって思ったけど、このままじゃ彼の帰宅時間を先延ばしてしまう。
意を決して、口を開いた。
「えっと…桃色の恋…」
「あ、わかりますわかります。えっと…あ、ここです！」
反対側の棚
なんと一瞬で見つけてくれた。
すごい！って、思わず感動しちゃう。
さすが店員さんだな、いや、バイトか。
「ありがとうございます、ごめんなさい、時間かかっちゃって。」
「全然！気にしないでください。」
二巻を取って一緒にレジに向かった。
誰もいないレジ
「…おひとりなんですか？」
「あ、えっと、裏の事務室に店長がいます。ここ、お客さん少ないから、夜は大抵ひとりでも平気で。」
「へぇ…」
このお店に来るのは3回目くらいだけど
今までもそうだったのかな。
あんまり意識してなかったかも。
「だから、まあ、ちょっと早めに閉めちゃったんですけど。笑」
「あ、なるほど。」
「おでこ大丈夫ですか？」
「あっ、もう全然…石頭なので。」
「ふは、そうなんすね。よかったー。」
お釣りです、って
彼の男らしい手が伸びてきた。
すごく綺麗な手だった。
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Tatsumi(プロフ) - 初めまして！ただいま、初恋一目惚れして、きなこさんの作品を読ませていただいています。こんなにしっくりくる玲於くんは初めてで、主人公ちゃんのキャラも好きで、今やきなこさんの作品や人間性に惚れ込んでいます。沢山の素敵な作品をありがとうございます！ (2020年3月27日 10時) (
レス) id: ec055f32e6 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - きなこさんのお話全部読んでます！！パスワードかかってるやつ昔読んだのですがまた読みたいので良ければパスワード教えて欲しいです！ (2019年10月6日 12時) (レス) id: 5014defe8e (このIDを非表示/違反報告)
ゆうか(プロフ) - まってました！きなこさん！おかえりなさい！！！楽しみにしてます！ (2019年10月2日 7時) (レス) id: b214cb1e69 (このIDを非表示/違反報告)
ChuRa(プロフ) - ハイスピード大歓迎です！きなこさんの書かれる佐野玲於くんが大好きです。更新楽しみにお待ちしております。 (2019年9月26日 12時) (レス) id: 6da9a38d0b (このIDを非表示/違反報告)
ゆりこ - 待ちきれないので毎日更新してください！！！！ (2019年9月26日 1時) (レス) id: cb039e5484 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこ
| 作成日時：2019年9月13日 21時
