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素直になれない ページ21





「玲於くん、ご馳走さま〜」

「ご馳走さまでした!」


ぼおっと先輩を見上げていたら
お店から出て来たふたり、酔った顔でそう声をかけてきた

先輩の同級生のひと
わたしと先輩、交互に見て


「…あは、なんだ、意外と仲良い感じ?」

玲於「…まあまあだって。」

「まあまあか。笑」

玲於「うん。」

「今日はご馳走さま。今度お礼したいな。」

玲於「…んー、俺忙しいから、予定合えばね。」


そんなやりとり
先輩のうしろで聞いてた
…予定合えば、ふたりでご飯行くんだ
やだなあ


マユ「じゃあ先輩、バイト頑張ってください。」

玲於「うん。マユちゃん気つけて帰って。」

マユ「はい。…あ、Aは、」

玲於「こいつは俺が送ってくから。」


じゃあね、って
ひとりでスタスタ歩いていっちゃう
マユちゃん見たら、すごい嬉しそうな顔で
ほら早く行きな!って言ってくれた

…なんか、胸の奥が熱い
さっきまであんなに冷たかったのに
高低差激しすぎて、しんじゃいそう

けどどうしても、さっきあのひとと笑い合ってた先輩の横顔が頭をよぎって
今まで通りにできない
…わたし、別に彼女じゃないんだから
先輩が誰と話してても、ふたりでご飯行っても
イヤって言う資格 ないのに

こんなのでいじけてたら
めんどくさいって嫌われそう
でも、どうしてもイヤ
イヤすぎる
イライラするし、悲しい
送るって言ってくれたの、本当に嬉しいのに
素直になれないよ

そんなこと考えて、とぼとぼ歩いてた
先輩、足早い
コンビニの前、酔っ払ったお兄さんたちがたむろってる。ちょっと怖い

目合わせないように、俯いて歩いた
でも案の定、ねーねーって声かけられる
けらけら笑ってて、でも無視してたら
ひとり こっちに来るのがわかった
やだ、こわい
そう思ったとき

随分前を歩いてるって思ってた先輩が
いつのまにか引き返してきてて
わたしの手首、強引に掴んで


玲於「あーお兄さんごめん、他当たって。」


そう言って、助けてくれた
わけわかんない
こんなの、また好きになっちゃうよ

そのまま駐車場まで引っ張られて
助手席、ほらってドア開けてくれる
何も言わずに乗り込んだら、優しく閉めてくれて
先輩は、運転席

隣同士
静かで、ドキドキする


玲於「…なんか喋って。」

A「……。」

玲於「……ねー、Aさーん。」

A「……ありがとう、助けてくれて。」

玲於「…さっき?」


頷くと
あんなの大したことねーよって、満足そうに笑った


いじわる→←同級生



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maki(プロフ) - 今まで何お話、読み返したら、やっぱり佐野先輩とうまくいってほしい。。(;_;)先輩!!何してんのーー!!! (2018年8月5日 7時) (レス) id: 9583ac788f (このIDを非表示/違反報告)
ゆうか - ほんとに今一番大好きな小説です。全然話長くしていただいてかまいません!笑更新これからも楽しみにしていますので大変だと思いますが頑張ってくださいね! (2018年7月5日 23時) (レス) id: cb039e5484 (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - きなこさんは更新率が高いことだけが取り柄だなんて、全然まったくそんなことないですよ(^^)きなこさんのお話を読むだけで元気になれます。いつもお話を読めること本当に嬉しいです。これからも応援しています。きなこさんの思ったまま書いてください! (2018年7月5日 23時) (レス) id: 49103f1761 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - さいくぅー (2018年7月5日 22時) (レス) id: 527ff0df55 (このIDを非表示/違反報告)
涼夏 - もうきなこさんの伏線が楽しみすぎます!!楽しみにしてます!! (2018年7月5日 22時) (レス) id: c6b1080ab1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きなこ | 作成日時:2018年6月16日 21時

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