連れてって ページ15
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玲於「…例えばさ、学校で嫌なことあって、…まあ、泣いて帰ったりとか あってさ、ちっちゃいとき。」
A「…うん。」
玲於「…そんときも、母ちゃん、何も言ってくれなかった。つーか、俺のこと見えてなかったかも。高校までずっとそんなんで、俺も苦しくて。」
A「…うん。」
玲於「……どうやったら愛してもらえるかって、毎日そればっか考えてたよ。良いことも悪いことも山程したけど、やっぱダメで。…それで、全部諦めたのが、高校3年のとき。」
ようやく家を出る決意が固まったんだ
って、先輩はそう言った
…そっか
だからか
白濱先輩が、出会ってすぐの頃言ってた
玲於は実家近いのに一人暮らししてるって
あんなにバイトをしてるのも、車を全部ひとりで買ったのも
お母さんを頼れないからだったんだ
玲於「…大学入ったときは、俺ほんとに自信なくて。すぐ辞めるかなって 心のどっかでね、うん、思ってたんだけど…そんなとき会ったのが、サヤさん。」
A「……。」
玲於「…サヤさんに付き合おうって言われたとき、なんか…すげー嬉しくて、選んで貰えた、って、このひとは俺のこと、ちゃんと見てくれるって。…まあ、結局浮気されてたから、全然そんなことなかったんだけどさ。」
…そういうことだったんだ
もしかして、サヤさんと別れたときあんなに泣いていたのは
サヤさんが好きだったから、ていうより
また愛して貰えなかった、って 思ったから？
わかんないけど
でも、きっとそう
玲於「…そういうわけで、サヤさんがもう トラウマになっちゃって。たぶんこの先も、同じこといっぱいあんだろうなってさ。」
A「……そんなこと、ないよ。」
玲於「……うん。…ごめん、お前にはたぶん わかんないよね。帰り心配してくれるママとパパがいてさ。大事に大事に育てられてきて。…分かるわけない。」
そう言った先輩の目が、本当に悲しそうだったから
虚ろなくすんだ目の理由が、いま、わかったから
そんな風に言って欲しくなかった
わたしはいつも、先輩のことだけ考えてるんだよ
こんなに、こんなに、先輩が大事なんだよ
玲於「…なんかもう、疲れた。どうやったら愛してもらえるかって、俺、この先ずっとそんなこと考えて生きてくんだよ。…それならもういっそ、どっか遠くの、誰もいないとこに行きたい。そこで、ひとりで…」
A「……連れてって。」
玲於「……え？」
A「……それなら、わたしも 一緒に連れてって。」
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maki(プロフ) - 今まで何お話、読み返したら、やっぱり佐野先輩とうまくいってほしい。。(;_;)先輩！！何してんのーー！！！ (2018年8月5日 7時) (
レス) id: 9583ac788f (このIDを非表示/違反報告)
ゆうか - ほんとに今一番大好きな小説です。全然話長くしていただいてかまいません！笑更新これからも楽しみにしていますので大変だと思いますが頑張ってくださいね！ (2018年7月5日 23時) (レス) id: cb039e5484 (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - きなこさんは更新率が高いことだけが取り柄だなんて、全然まったくそんなことないですよ(^^)きなこさんのお話を読むだけで元気になれます。いつもお話を読めること本当に嬉しいです。これからも応援しています。きなこさんの思ったまま書いてください！ (2018年7月5日 23時) (レス) id: 49103f1761 (このIDを非表示/違反報告)
蛍(プロフ) - さいくぅー (2018年7月5日 22時) (レス) id: 527ff0df55 (このIDを非表示/違反報告)
涼夏 - もうきなこさんの伏線が楽しみすぎます!!楽しみにしてます!! (2018年7月5日 22時) (レス) id: c6b1080ab1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこ
| 作成日時：2018年6月16日 21時
