ひとつ ページ16
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夜の駅
そのホームのベンチでふたり
泣きそうな顔で、ただ見つめ合う
A「…わたしは…たしかに、わかんないよ。経験したことないから、わかんない。けど…わかりたいって思うし、そう思うのは…先輩のこと、大事だからで…」
玲於「……。」
A「…だから、もし先輩が 生きるの嫌になって、そうやって、どこか遠くに行きたいって思ってるなら、…わたしも、一緒に連れてって。…何もできないけど、でも…先輩のとなりにいたいよ。」
玲於「……A…」
言ってる間に、涙出てきた
大粒の涙
止めようって思っても、止まらない
先輩、きっといまも お母さんに愛されたいって思ってるはず
じゃなきゃ、実家から近い場所で一人暮らしなんてしない
じゃなきゃ、あんな悲しそうな目、しない
助けたいよ
先輩のこと、助けたい
力いっぱい抱きしめて、わたしがいるって言いたい
今までこんな大きな苦しみを抱えながら
わたしに笑いかけてくれてたんだよ
わたしだって
もっと
…そう、思ったとき
そっと先輩の腕が伸びて
そのままわたしのこと、ギュって抱き寄せた
先輩の香り
胸の中にすぅーって入ってくる
余計涙出てきて、止まらなくて、息 苦しくて
玲於「……バーカ。」
耳元で聞こえたそんな声
少しだけ、震えてた
先輩の大きな腕が、わたしの身体、痛いくらいに包んで、もう一生離れないんじゃないかってくらい、ひとつで
ただ、嬉しかったの
いまは紛れもなく、わたしのことを思って 抱きしめてくれてる
誰かの代わりじゃない
わたしを、抱きしめてくれてる
A「……せん、ぱい、」
玲於「……うん。」
A「…どこにも、いかないで。…わたしがずっと、となりに、…ずっと、先輩のとなりにいるから。」
玲於「……うん。」
頷いた後、また強くなった腕の力
わたしも泣きながら
先輩の背中に手を回した
苦しいのと
安心するのと
悲しいのと
幸せなのと
もう、いっぱいいっぱいだよ
先輩の耳がたまに頬に触れて そのたびにくすぐったかった
目をギュって瞑ったら、世界にわたしたちしかいないみたいで、永遠にこのままでいたかった
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maki(プロフ) - 今まで何お話、読み返したら、やっぱり佐野先輩とうまくいってほしい。。(;_;)先輩！！何してんのーー！！！ (2018年8月5日 7時) (
レス) id: 9583ac788f (このIDを非表示/違反報告)
ゆうか - ほんとに今一番大好きな小説です。全然話長くしていただいてかまいません！笑更新これからも楽しみにしていますので大変だと思いますが頑張ってくださいね！ (2018年7月5日 23時) (レス) id: cb039e5484 (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - きなこさんは更新率が高いことだけが取り柄だなんて、全然まったくそんなことないですよ(^^)きなこさんのお話を読むだけで元気になれます。いつもお話を読めること本当に嬉しいです。これからも応援しています。きなこさんの思ったまま書いてください！ (2018年7月5日 23時) (レス) id: 49103f1761 (このIDを非表示/違反報告)
蛍(プロフ) - さいくぅー (2018年7月5日 22時) (レス) id: 527ff0df55 (このIDを非表示/違反報告)
涼夏 - もうきなこさんの伏線が楽しみすぎます!!楽しみにしてます!! (2018年7月5日 22時) (レス) id: c6b1080ab1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこ
| 作成日時：2018年6月16日 21時
