ただいま、初恋【佐野玲於】

カラオケ ページ10

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亜嵐「おっまったせ〜！」

玲於「うわもう18時かよ。」


聞こえたそんな声に顔を上げると
白濱先輩と佐野先輩が、ふたり並んでこっちに来てた
おそいよーってマユちゃんが不機嫌そうに言って
しょうがねえじゃんって、白濱先輩が笑う


亜嵐「よしじゃあ行こ！」

玲於「うん。ねえメシどうすんの？カラオケでなんか頼む？」

マユ「時間ないし、そうしましょ。」


白濱先輩たちのうしろに
わたしとマユちゃん
マユちゃん以外の人と学校出るの、初めて

途中、白濱先輩の提案でラインも交換したし
これ、仲良いのかもって、嬉しくなる

家の方向バラバラだし
このへんの店入ろっか、って
白濱先輩がそう提案してくれて
はいって頷き、駅のそばにあるカラオケに入った
受付、ささっと済ませてくれたし
すごいな、一歳年上なだけで こんなに手際良いんだ
…あ、白濱先輩は、2歳上なんだっけ？


亜嵐「いえーい！カラオケ久々！」

マユ「わたしも！」

玲於「ちょ、マジで亜嵐くんにマイク渡すのやめよ、ほんと頭悪くなるから。」

マユ「頭悪くなるんですか。笑」

玲於「なる、ジャイアンだもん。」

亜嵐「違う違う！笑 ジャイアンは普通に下手なの！」


そんな会話に、思わず笑う
仲良いんだなあ、ふたり
でも、わたし音痴なのバレないようにしようっと
マイクは、マユちゃんに回そうっと

そんなこと考えてたら
視線を感じて、見たら、白濱先輩と目が合った
え、って声に出したら
ふはって笑う先輩


A「な、なにか…」

亜嵐「なに？そんなお行儀よくお膝に手置いちゃって！笑 慣れてない？カラオケ。」

A「あ、えと、高1ぶり…くらい。」

亜嵐「高1ぶり！？笑」

玲於「随分ご無沙汰っすね〜。」

亜嵐「歌、嫌い？」

マユ「あ、なんかA、音痴って言ってたよね。」

A「ちょ、マユちゃん！」


バレないようにしようって思ってたとこなのに！
あ、内緒だった？って笑いながら言うマユちゃん
はあ、ほんとやんなっちゃうよ


亜嵐「えー音痴なの！うまそうなのに。」

玲於「YUIとか歌ってそう。」

亜嵐「わかる。笑」

マユ「でもまあ音痴って言っても…」

A「違うの、ホントに音痴なの。」

亜嵐「えー歌ってみてよ。何なら歌える？」


言いながら、リモコンぴこぴこ操作してる
嘘でしょ、やだやだ
ほんとに歌えないのに！



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