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助手席 ページ47





息切れしながら着いた駅
側の道に、黒の車がハザード焚いて停まってた
近付いたら、先輩がドア開けて出てきて


玲於「…おっせー、駅にいるって言ったの嘘かよ。」

A「う、嘘じゃないです!えっと…あ、あの、コンビニ行ってて!」

玲於「…へぇー。」

A「……あの…」

玲於「…いいよもう、ほら早く乗って。」


…笑ってる
ちょっと安心
もう機嫌良くなったのかな、なんて

そうやってほっとしたのも束の間で
えっと…どこに座ればいいんだろ
だって助手席は、サヤさんのものでしょ
サヤさんしか座らせたくないって感じ、伝わってきてたし…
でも、送ってもらうのに後部座席ってありえないよね?
え、けど、えっと


玲於「もー、なにしてんのおチビちゃん。」


運転席の窓
開けて、先輩がそう怒ってくる


A「…あの…どこに座れば…」

玲於「……助手席。」

A「…助手席…」


助手席、座っていいんだ
なんか複雑な気分で、失礼しますって ドアを開けた
座ると、当たり前だけど密室で
2人きりで、静かで…


玲於「家どこ?」

A「…あ、えっと…その道、ずっと真っ直ぐで、公園のとこ、左で…」

玲於「ん。まあ後でまた言って。」


時計は、もう21時を指していた
ハンドルを握る先輩の手
バレないように、ちらって見て
ギュって胸が痛くなって
…サヤさん、すごい
いつもこんな距離なんだ…いいなあ


玲於「…バイトどう?」

A「え、あ、楽しいです。とっても。」

玲於「…まあ亜嵐くんいるしね。」

A「はい、…白濱先輩のおかげで。」

玲於「ふうん。」

A「あの…先輩は今日、バイトは?」

玲於「…んー、休み。」

A「そっか…じゃあ、なにしてたんですか?こんな時間に車乗ってるなんて。」

玲於「べっつにー。借りてたDVD返してー、ついでにコンビニ寄ってー…で、まあ、Aがちょうどバイト終わる頃かなって。」


…なにそれ
わたしのこと、思い出してくれたの?
嬉しくて死んじゃいそうだよ

シートベルト、ギュって握り締めて
心臓落ち着ける
だって、ドキドキの音、聞こえちゃいそうなの
好きって、バレそう


玲於「…あ、公園見えた。」

A「あっ、えっと、そこ左です。」

玲於「左ね。」


はいって答えて顔上げたら
先輩、ウィンカー右に出してた
え?って思ってる間に、車は右に曲がる


A「え、あの、」

玲於「…まだ21時だから。」

A「え?」

玲於「…遠回り。…いいでしょ。」


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ゆづき(プロフ) - きなこさん、初めまして!だいぶ時間が経っていて、もうコメントを見ることはないかもしれませんが、、とてもキュンキュンして、人間の小さい心の動きをうまく言葉に起こしている部分に特に感動しました!♡2章も楽しんで読ませていただきます! (6月7日 22時) (レス) @page50 id: bfb37b3d55 (このIDを非表示/違反報告)
kaoris10(プロフ) - お気に入り登録してます!毎度ウルウルです!塩な彼氏と〜のパスワード教えて頂きたいです! (2020年2月14日 23時) (レス) id: 9b17de759e (このIDを非表示/違反報告)
涼香(プロフ) - とても面白いです!(T^T)更新待っています! (2019年2月16日 2時) (レス) id: 3b0746b685 (このIDを非表示/違反報告)
saeco10(プロフ) - また一話から読み返しています。もう何回目?って言うくらい読み返しているのに、また切なくて泣いてしまいます。この物語のチカラに驚いております。 (2019年1月23日 1時) (レス) id: eef139c402 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 久々のきなこさんのお話し、今回も楽しく読ませていただいております!今後の展開もとても気になるところです。きなこさんのお話を読んでると純粋に人を好きになって恋をしたくなります、、それくらい素敵なお話しをありがとうございます! (2018年5月7日 21時) (レス) id: 97c32faec9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きなこ | 作成日時:2018年4月21日 21時

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