ただいま、初恋【佐野玲於】

蚊帳の外 ページ2

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マユ「げ、聞いた？来週小テストだって！」


うとうとしてる間に授業は終わってて
マユちゃんのそんな声で目が覚める
えっ、テスト？聞いてないよ！


A「うそ、どうしよう。今日のとこノート取ってない！マユちゃん見せて…」

マユ「仕方ないなあ、次空きコマだよね？」

A「うん。カフェ席空いてるかな。」

マユ「あー、行ってみよ。」


この学校、そんなに広くないんだけど
ご飯食べるとこは、ちょっと古い食堂と、綺麗なカフェに分かれてる
食堂の方が広いからお昼はみんなそっちに行くけど
今みたいに、空きコマの時間とかは、カフェで席取れるの

リュック背負って階段を降り
お目当てのカフェへ向かう
やっぱり席空いてて、端っこのテーブル席に座った


A「先週のぶんはちゃんと取ってるから、今日のとこ見せて欲しい。」

マユ「ん。これでいい？」

A「ありがとうほんとに助かります。」

マユ「ふふ、Aの字って小学生みたい。笑」

A「ねえ、それママにも言われるの。丸字やめなさいって。」

マユ「いいじゃん、汚いわけじゃないから。」

A「ほんと？」

マユ「うん。かわいーって感じ。笑」

A「もー笑ってるじゃん。」

マユ「あは、ごめんごめん。笑」


けらけら笑ってるマユちゃんを横目に
必死にノートを書き写してた
えっと、これがこうなって…


「あれ？マユミ？」


そのとき聞こえた声
マユミ、って、マユちゃん？

ふと顔を上げると
すっごくイケメンな男の人が、キラキラ笑いながらわたしたちのテーブルの隣で立ち止まった
びっくりして、声が出ない


マユ「わあ、お久しぶりです。」

「久しぶり！なんだ、ここ入ったの？知らなかった！」

マユ「はい。実家から通えるしって理由で。笑」

「あー俺も俺も！笑」


鼻がすごく高くて
目はとびきりの二重で
おとぎ話の、王子様みたい…

そんなこと思ってじぃって見てたら
ぱちって目が合った
すぐ逸らす
…や、やば。緊張…


「あらんくーん、何してんの？」


俯いてドキドキしてたら
また向こうから、違う男の人がやってくる
ちらって見てみたら
この人もやっぱりカッコよくて、でも、あらんくんと呼ばれたこの人よりは、少し怖い
だってなんか、カラーグラス掛けてるもん！


「高校の時の後輩に会ってさ、この子、マユミ。」

マユ「初めまして。」

「あーどうも。」


そんなやりとりを側から眺めるわたし
若干、蚊帳の外


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