過保護 ページ37
Aside
お気に入りのカラーグラスに
ロゴが入ったキャップ
いつもの個性的なファッションと
そして、極め付けのマスク
不審者?
違う、このひとは
A「…お、おかえり…」
玲於「…うん。」
ぶっきらぼうにそんな返事をしながら
じーって杉野くんのこと見てる
…正しくは、見上げてる
杉野くん、ちょっと慌ててるし
ああもう、めんどくさいことになった
A「杉野くん、このひとが…えっと、一緒に住んでる人で…」
杉野「え、あ、そうなんだ。…彼氏?」
A「ち、違うよ!幼なじみなの。」
杉野「幼なじみ?そっか、…えっと、初めまして。杉野です。Aちゃんと同じバイトで。」
玲於「…佐野です。」
うわあ
すごい目してる、玲於くん
なんでそんなに杉野くんのことイヤなの?
カッコいいからかな
杉野「あ、じゃあ僕はここで。…またね、Aちゃん。」
A「あっうん!ありがとう、送ってくれて。」
最後に一回、ぺこって頭下げた杉野くん
来た道を戻っていった
その姿が小さくなったのを確認して、玲於くんの方を振り向く
A「…そんな怖い目しなくてもいいのに。」
玲於「…だからね、お前甘すぎなんだって。」
A「なにが?」
玲於「男ってみんな、あわよくばで生きてんの。あいつだってね、あわよくば、部屋あがって、あわよくば、お前を」
A「もお、違うって。」
玲於「違くない。俺は男だから分かる。」
A「だって、心配だからって送ってくれてるんだよ。ここまでひとりで歩く方が危ないよ。」
玲於「…じゃあ分かった。俺がチャリ買ってやる。それでいいでしょ。ひとりでも安心。」
A「ほんっと過保護。」
玲於「おじちゃんとおばちゃんを泣かせるわけにはいかないからね。」
…はあ、もうダメだ
何を言っても 無駄な気がする
ため息つきながらエレベーターに乗り込んだ
玲於「仕事終わってようやく家ついたと思えばコレだもん。ほんと勘弁してよ。」
A「こっちのセリフだし。」
玲於「はあ?」
A「せっかく綺麗な先輩紹介してあげようと思ったのに。」
ちょっとつっぱねてそう言うと
玲於くん、え、って すぐわたしの方振り向いて
…うっわ
目の輝きが、さっきと違う
玲於「紹介してくれんの?」
A「…態度次第かな。」
玲於「…生意気なこと言いやがって。」
からの、デコピン
もう
やっぱりいじわる
.
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夕凪(プロフ) - まだ、酔っ払いまでですが本当に面白くて今からキュンキュンしてて、心臓が足りません!笑笑 (2018年6月18日 12時) (レス) id: 6e9a42278c (このIDを非表示/違反報告)
ひろみ - きなこさんの小説ほんとに好きで読ませもらってます!!臣くんのやつも読みましたがほんとにドキドキして面白かったです!臣くんの小説違うバージョンも作って欲しいです!これからも頑張ってください! (2017年12月29日 20時) (レス) id: bde81dd030 (このIDを非表示/違反報告)
kotone(プロフ) - 私、きなこさんが書くお話がすごく好きなんです!更新、楽しみにしてます(*^^*) (2017年12月21日 23時) (レス) id: 8703134089 (このIDを非表示/違反報告)
のん - 楽しさと面白さの中に悲しさも入っているてんこ盛りの作品ですね!(上からでごめんなさい…)読んでいてとっても楽しいです!これからも頑張ってください! (2017年12月21日 23時) (レス) id: b0b93090e0 (このIDを非表示/違反報告)
まりあ(プロフ) - すっごく面白いお話です!どんどん更新してください!お願いします!!主人公が玲於くんを待つところとか、すごく切なくてだんだん泣けてきちゃいました! (2017年12月21日 22時) (レス) id: c8678f2ebd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きなこ | 作成日時:2017年12月5日 22時