恋愛アレルギー2【佐野玲於】

念願 ページ11

Aside






窓から差し込む太陽の光


床に反射して、ちょっと眩しい






…好き、って単語は


たった二文字しかなくて

すぐに言い終えてしまうから、どこか儚い感じがする。




ほんとはもっと

もっと、こんなに想ってるんだよ





全部が初めてでよくわからないけど





でも




わたしのこと、優しく見上げて

そっと手を握ってくれた






そんな佐野くんだから、これでいいんだって ちゃんとわかるの。







玲於「…もう聞き飽きたかもしんないけど、言っとくわ。」







はい、って 目を合わせると

ゆっくり口を開いて








玲於「…好きだよ、Aちゃん。」








…ああ、どうしよう


本当に嬉しい




もうダメかもって思ってたから


嫌われてるかもって思ってたから





…本当に、嬉しい







玲於「…バカ、泣くなよ。」


A「…だって…」


玲於「……嬉しいの？」


A「…うん、」


玲於「…たぶんさ、俺の方が嬉しいよ。」






ちょっとだけ口角を上げながら

ほら、って 親指で涙を拭ってくれる。






優しいな


嬉しいな


…好きだな








玲於「…立ったら足痛い？」


A「…わかんない、」






半泣きのまま答えると

はい、って 支えてくれて



ほとんど佐野くんに体重かけながら、なんとか立ち上がった







玲於「……念願、叶えていいっすか。」






…念願？



よくわかんないまま、うんって頷くと

佐野くん、恥ずかしそうに唇を噛んで








玲於「……はあ、…すげー幸せ。」







優しく、涙が出るくらい優しく

ぎゅって抱きしめてくれた





…幸せなの、わたしも同じだよ







A「…佐野くん、いっぱい待たせて、ごめんね。」


玲於「…ほんと、待ちくたびれたわ。」


A「…もう嫌われてると思った。」


玲於「…嫌いになんてなるわけねえじゃん、…俺がどんだけお前を好きか、知んないでしょ。」






知ってる

知ってるよ



だって、こんなに優しく抱きしめてくれるんだもん




好かれてるって

全身で感じる







玲於「…ああーー、ほんと無理、ありえねえ、なんで？お前ガンさんが好きだったんじゃないの？」


A「…佐野くんが好き。」


玲於「……そういうの、反則。」







ふふ、って 佐野くんが笑った






幸せに包まれる、この空間で


またたくさんのありがとうが増える






…もちろんそれは


大好きで大切な、佐野くんへ向けて。




．

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