ユアマイドール【佐野玲於】

つまんねえもん ページ47

玲於side






玲於「…なに、この写真。」


亜嵐「この前午後からオフの日にさ、偶然外でAちゃんに会って、その時に。」


玲於「…え？なにそれ、遊んだの？ふたりで。」


亜嵐「え、うん。笑」






…亜嵐くんとAって、そんなに仲良かったんだ。






玲於「……なんかムカつく。」


亜嵐「ちょ、なになに。笑 妬いてる？」


玲於「妬くわけないでしょ。…ムカつくだけ。」


亜嵐「……Aちゃん可愛かったな〜。お腹減ったって言うからさ、流行りのパンケーキ連れてったんだけど1時間待ちで！」


玲於「…1時間とか絶対無理。」


亜嵐「でも、亜嵐くんが連れてきてくれたお店だから待ちたい、って可愛いおねだりされちゃって。待ったよね、1時間。笑」


玲於「…あっそ。」





考えらんないわ

なに、パンケーキ食べるために1時間？


…無理無理。




てかなんだよ、亜嵐くんが連れてきてくれたお店だから、って。




俺が連れてくラーメン屋なんて並ばなくても入れるよ？

餃子一個多く食べさせてあげるよ？





俺の方がいいでしょ？Aちゃん。









そんなひねくれたこと考えながらタクシーに乗って

いつものお店に到着



完全個室だから、誰かに見られる心配もないし。





チカ「懐かしいなー、このメンバー。」




そんなチカちゃんの声

…そっか、前まではこの9人が普通だったんだ。



俺らと、専属のメイクさんは チカちゃんと姉さん。




そこにAが入ってきて…




…どっちがいいか、なんて言えないけど


ドキドキがいなくなって

安心感がやってきた みたいな感じ。





裕太「…Aちゃん、何してんの？」


美幸「分かんない。用事だって。」


裕太「…ふうん。」





…なんか裕太くんもAのこと好きなんだよね



みんな好きじゃん

亜嵐くんだって。





…はあ、つまんねえ






隼「じゃあとりあえず乾杯しましょっか！！」


龍友「なんで隼が仕切ってんの。笑」


隼「やっぱ盛り上げ隊長なんで！！」


龍友「なんやねん盛り上げ隊長て。笑」





隼の楽しそうな声


それを見て笑うみんな


俺の目の前には、チカちゃんがいて





…完璧なはずじゃん。



何？この、ぽっかり空いた穴


メンバーでも好きな人でも埋まらない、この穴






玲於「…ごめん俺、帰るわ。」


涼太「え？なんで！」


玲於「…用事、思い出した。」






だってつまんねえもん


…Aがいないと、つまんねえ。



．

珍しい→←気に食わない

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す