恋人未満。《s.m》 (ページ19)

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森本side

森「ﾁｯ……」

人は何をしでかすかわからない。

たとえ恋人であっても。

森「なんだよこれ。」

ネットで晒しあげられているのは
彼女の愚行の数々。

そんなことする人じゃない、と思ってたのに。

田「慎太郎、大丈夫か？」

エゴサ好きな樹はきっと現状を把握済みなんだろう。

森「大丈夫なわけ……」

高「ジェシーもう帰んのー？」

ジ「お疲れ！」

そんな俺の気持ちなんて露知らず
最近のジェシーは仕事終わるとすぐに
ご機嫌な様子で現場を去ることが増えた。

京「？なんであいつあんなに機嫌いいの？」

松「ご機嫌で仕事してくれるから
深いことは詮索しなくてもいいんじゃない？」

高「そーそー」

田「なに、お前らなんか知ってんの？」

高「いやーーこれは俺からはなんとも言えないからなー」

松「と言うよりも俺らはたまたま遭遇しちゃったから
詳しいことは言えないのが正しいよね。」

京「なになになに！気になんだけど！」

森「んな勿体ぶらずに教えてくれよー！」

なんて言ってた数秒前の自分を殴りたい。

森「は？」

松「だから、
ジェシー最近Aちゃんと同棲してるっぽい」

田「まぁじで！？」

高「まじまじ。
俺と一緒の車の時大体だぁくんに
Aちゃんのマンションまで送って貰ってるわ」

京「俺てっきり付き合うとしたら
慎太郎だと思ってたんだけどまさかのジェシーかぁ」

田「いやでもさ、同い年なのもあって
元から仲は良かったじゃん？」

松「そうね」

は？

Aがジェシーと？？

いや、いやいやいや……

思い出されるのは前に食事した時。

その時もジェシーの香水纏ってたっけ。

そんな前からずっと付き合ってたのか。

だから誘っても彼女理由にされて
会ってくれなくなったんだ。

そっか。

彼女なんかよりもAの事で頭がいっぱいなのは
どうして。

『慎太郎！』

頭に浮かんだのはキラキラな笑顔で
俺を呼ぶAの顔。

なぁ、辛い時はいつも話聞いてくれたじゃん。

もう、聞いてくんないの？

俺今しんどいよ、A……。