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貴方side
まだ少し不服な感じは残しつつも
カラー剤落とすよ、と
シャンプー台に案内してくれた。
「痒いところない？」
貴「ないです」
さっきも思ったけど京本さんのシャンプーって
めちゃめちゃ気持ちいいなぁ……
うとうとして眠りそうになる。
「眠かったら無理しないでいいよ」
うとうとしている私に気がついたのか
そう声をかけてくれる京本さん。
少しだけ目を閉じ身を任せていると
優しく、ヘッドマッサージをしてくれる。
「Aちゃん？起きてる？」
貴「はい」
「身体起こすね」
とシャンプー台の椅子を起こし、
タオルで髪の毛を拭いてもらう。
「カット台戻って乾かそうか」
美容室特有の風量の強いドライヤーで
髪を乾かしている間、
鏡越しに京本さんに目線が行く。
綺麗な金髪に整った顔。
少し伏し目がちでこちらの髪を乾かしている様が
本当に絵になっている。
綺麗だなぁ……
「なぁに？」
じっとみてたのが京本さんにバレる
貴「や、綺麗だなぁ…なんて……」
「綺麗……？そうでもないよ？」
よく言われるけどね、と
少々困り顔をされてしまった
貴「でも、かっこいいですよねぇ…」
「!?」
貴「あっ」
思わず心の声をこぼしてしまい
慌てて手で口を塞ぐ
「ありがとう。かっこいいって言われるのは嬉しいなぁ」
とびっきりの笑顔でそういった後、
よし！カラーいい感じ！と
満足気に鏡を見つめる京本さん。
「セットするね！」
とヘアアイロンを取り出し
緩やかに髪を巻いていってくれる。
巻き終われば手にワックスをとり
髪になじませていく。
最後の仕上げでスプレーをかけていけば
ふんわりとしたセミロングのスタイリング。
「よし！完成〜！」
かなり満足したのかニコニコと笑みを浮かべ
こちらに後ろ髪も見せてくる。
「こっちでお会計するよ！」
と先程の受付へ案内され会計を済ます。
貴「ありがとうございます。」
「こちらこそ！また髪の毛いじらせてね〜！」
あ、と思い出したかのように
1枚のカードを差し出された。
貴「これは……？」
「俺のショップカード！ここに連絡してくれたらすぐ予約取れるから！」
わかりました！と
ショップカードを受け取り出口へ向かう。
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作者名：Rio | 作成日時：2019年12月2日 21時
