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「いった⋯っ!!」
私の態度を見逃さなかった先輩が、私を思いっきり押したようだった。
背中がジンジンと痛む。
壁に打ち付けられた衝撃で、
軽く頭もぶつけてしまっていた。
『あんたがジノ君の近くにいると目障りなのよ!
ジノ君だってきっとそう思ってるはず!』
先輩は声を荒らげて私を怒鳴った。
周りの先輩も、
そうよそうよと口々に好き勝手言う。
こんなに言われたら、こっちだってさすがに黙ってはいられない。
「それ、ジノ先輩が言ってたんですか?
先輩の勝手な憶測ですよね?」
下から睨みつけるように私は先輩にそう言った。
『あんたね⋯っ!!
いい加減にしなさいよ!?』
先輩は右の手のひらを振り上げる。
あ、叩かれる。
反射的に、目をぎゅっと瞑る。
すると、
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ジノ「ねえ、おまえら何してんの?」
ジノ先輩の声が聞こえた。
『⋯っ!!ジノ君!?
ど、どうしてここにいるの?』
目をそっと開くと、いつの間にか手を下ろしてジノ先輩と話す先輩の姿があった。
先程まで威勢のよかった先輩も、ジノ先輩が来た瞬間おとなしくなった。
ジノ「なんか大きな声聞こえてきたから来てみたら、
寄って集って後輩に何やってんの?」
『ち、違うのジノ君!すこーしお話してただけだよっ!』
ジノ「目障りとかジノ君とか聞こえてきたんだけど、俺のこと話してたの?」
『いや、あの⋯っ!』
わかりやすく動揺する先輩。
『だ、だってこの女が悪いのよ!?
私がジノ君に話しかけてもあまり楽しくなさそうにしてるのに
この女と話してる時はすごく楽しそうでにこにこしてるじゃない!
この女がジノ君に近づいて色目つかうのが悪いのよ!』
先輩は必死にジノ先輩に
自分は悪くない、と言わんばかりに説得する。
「すみません、ジノ先輩。」
思わず私は謝ってしまった。
ジノ「なんでAが謝るの。
立てる?ほら、手かして。」
そう言ってジノ先輩は私に手を伸ばしてくれた。
その手をぎゅっと掴んで立つ。
ジノ「怪我は無さそうだね、よかった⋯」
ジノ先輩はそう言って私の頭を一度撫でた。
そして、ジノ先輩は女の先輩のほうを向いた。
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ヨカ(プロフ) - りーさん» ありがとうございます!お話ができしだい書かせていただきます!(^^) (2019年5月17日 18時) (レス) id: 9fbabffe0a (このIDを非表示/違反報告)
りー(プロフ) - 更新ありがとうございます! リクエスト受け付けて下さるなんて……素敵です! 取り合いされるお話が読んでみたいです! (2019年5月17日 18時) (レス) id: 371fdf5cab (このIDを非表示/違反報告)
ヨカ(プロフ) - mikadoさん» そうなんですよー!!ありがとうございます!!勉強もおたがい頑張りましょう(o^^o) (2019年5月14日 13時) (レス) id: 9fbabffe0a (このIDを非表示/違反報告)
mikado(プロフ) - 受験生だったんですか!?毎日更新お疲れ様です…私も受験生で占がツク書いてますがヨカさん程しっかりとした小説かけてませんし更新も亀過ぎて…尊敬します。無理しない程度に頑張って下さい〜楽しみにしてます! (2019年5月11日 22時) (レス) id: 3b03e9c822 (このIDを非表示/違反報告)
ヨカ(プロフ) - ジンホさん» 自信になります本当に嬉しいですありがとうございます(;_;)ぜひまたリクエストしてください!(o^^o)自 (2019年5月11日 11時) (レス) id: 9fbabffe0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヨカ | 作成日時:2019年5月3日 0時