夢主が神隠しされた話 ページ10
私は 母に頼まれたお使いの帰りに、ふと狭い道を見つけた。
その道は家と家の間に挟まれていて、まるで隠すようになっていた。
(こんな道、あったっけな……)
お使いのルートで毎回ここの前を通るが、こんな道 今まで無かった。
この道は何なのだろう？
私はレジ袋を片手に、その道に入ることにした。
道の先は暗くてよく見えない。地面は石で出来ていて、まるで神社の通り道のよう。
私はどんどん先へと進んだ。
振り返ると、暗くて何も見えない。そのまま私はもっと奥へと行く。
すると、門があった。本当に神社なのだろうか？
門の先は何故か見えない。くぐってみるか……
私は門をくぐった。
…やはり先が見えない。でも、広い空間であることはわかる。
両腕をいっぱいに広げても、先程の道のようにあたらなかったから。
来ていた道の方を向いた。
そこには壁があるだけ。
(なんで？今までここの道を通ってきたのに…もう帰れないの？)
私はレジ袋を地面に落としてしまった。そのまま立ち尽くして絶望していた。
？「よお嬢ちゃん、こんな所で何の用だ？」
人の声。私は勢いよく顔を上にあげ、その人の顔を見た。
その人はツーブロックで、顎に痛々しい傷あとがあった。
「あの…私、こっちから来たんですけど……迷子になっちゃって…」
？「そうかそうか、でもここは気をつけろ。
化け狐が気に入った女を連れ去るようだからな」
私は急に怖くなって下を向き後ずさった。その男はニヤリと笑い、私を見下す。
尾形「俺みたいな奴に捕まるからなぁ??」
その人は人間ではなかった。さっきはなかったのに、頭には大きな耳が生えていて、
狐のしっぽが生えていた。
尾形「さあ 行こうか」
私はその人の手を取ってしまった。暗闇の中へと吸い込まれるようにして化け狐と奥へ奥へと向かった_______________。
『ねぇ知ってる？最近ここらじゃ“神隠し”があるらしいわよ』
『やだそれ本当？〇〇さん、お宅の子供、神隠しされないようにね』
母親「やだ、私に子供なんて居ないわよ？」
『あら？そうだったっけ？確か……Aって子じゃなかった？』
母親「居ないわよ？暗くなったし、私は帰りますね」
くだらない日常会話※暇なだけ→←勇作さんが見えるようになった話
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作者名：らる | 作成日時：2019年8月18日 2時
