ハテナマーク ページ28
Aside
夜景をスマートフォンに収めながら蘭ちゃんと会話をする。「風俗店のオーナーさんなんだね」と名刺の事を思い出し話題にすると、「“表向き”ではね〜」と返されてどう反応すればいいか分からなかった。表があるということは裏がある訳で。確かに竜胆さんと出会った時は血塗れだったし、喧嘩が大好きだった蘭ちゃんがそんな極めて平和的な仕事をしている訳が無いか。私は「あはは〜」と社交辞令じみた笑みを見せ、その場を乗り切った。蘭ちゃんも特に何も言わなかったから、きっとこれ以上は聞いて欲しくないのだろう。
そしていよいよ食事が運ばれてきた。私はその盛り付けに感激して再びスマートフォンに収める。明日同僚皆に自慢しよう。星5を超えかけるお店に出会ったと。紙ではなく布エプロンを前に着け、目の前の料理に手を掛ける。一口含むと、口の中で蕩ける。これ本当にお肉なのだろうか。だとしたら私が今まで食べてたお肉は一体何なのだろう。私の手は止まることなく進んでいった。
それから食事も終え、私と蘭ちゃんは一息着く。こんなに美味しい物を食べたのは本当に初めてだった。幸せ以外の言葉が出てこない。しかしそんなことよりも、元恋人である蘭ちゃんとこうしていつも通りに接していられる方に驚きだ。あの頃とは雰囲気もガラッと変わって少し大人びた蘭ちゃん。彼女がいてもおかしくないだろうに、なんてら思いながら彼を見ていると、バッチリと目が合う。そして蘭ちゃんは「じゃあ、この前の話しよっか♡」と少し怒りを込めた声でそう言った。
「Aが竜胆に嘘ついた理由はな〜んだ」
『勘弁してよ蘭ちゃん』
「こっちのセリフだからな？」
『すみません』
私が謝ると、「何？竜胆の事好きなの？」とド直球で聞いてくる蘭ちゃんに思わず口に入れたワインを吹き出しそうになった。しかしそれを抑える為勢い良く喉に通したせいか、変な器官に入り噎せてしまう。蘭ちゃんはそれを肯定だと捉えたようで、「へぇ〜、そう」と何だかつまらなそうにそう言った。竜胆さんには絶対言わないでくださいと頼むと、アッサリ承諾してくれた。しかし、彼の事だ。きっと何かしら難題を突きつけてくるに違いない。そう思い緊張しながら次に彼が何を言うのか待っていると、彼は何も言わずに立ち上がりレジへと向かった。
勿論、私の頭にはハテナマークしか浮かばなかった。
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ひめ☆そら(プロフ) - マンゴーさん» ありがとうございます！！続編でもよろしくお願い致します！！ (2021年9月11日 23時) (
レス) id: f06e616829 (このIDを非表示/違反報告)
ひめ☆そら(プロフ) - なるさん» 返信が遅くなってしまってすみません！！そう言って頂けてとても嬉しいです！続編でもよろしくお願い致します！ (2021年9月11日 23時) (レス) id: f06e616829 (このIDを非表示/違反報告)
マンゴー - 続編おめでとうございます！！これからも頑張ってください。応援してます！！ (2021年9月10日 18時) (レス) id: 32d06b4eaf (このIDを非表示/違反報告)
なる - 続編おめでとうございます！！とっても嬉しいです！！ひめ☆そらさんの描く竜胆がいつも尊くて好きです！引き続き応援させて頂きます！！ (2021年9月10日 5時) (レス) id: ec50fd9b43 (このIDを非表示/違反報告)
ひめ☆そら(プロフ) - りかこさん» わー！！そう言って頂けてとても嬉しいですっ！続編でもこの作品をよろしくお願いします！！ (2021年9月9日 23時) (レス) id: f06e616829 (このIDを非表示/違反報告)
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