半間と名乗る男 ページ27
Aside
『うへぇ、結構人数いるんだね』
「始まる前に着いて良かったなぁ?」
『警察にバレるかヒヤヒヤしたよ』
私の登場にザワつくメンバー。それは向こうのチームも同じだった。まぁそりゃそうか。私の存在なんて、話を聞くにほぼ“幻”みたいだし。すると、この前神社へ行った時に突っかかってきた奴らがまたもや私に突っかかってきた。
「お前…!!この前の!」
『おーこの前のくそ生意気野郎たち』
「テメェ何でこんなとこにいんだっ!危ねぇだろ!」
『意外に優しいのね。でも安心して』
_______私、喧嘩は超強いから。
『もう暴れていいの?マイキー』
「ハハッ、勿論。…行くぞオラァァァァァァァァァ!!!!!!!」
きっと私がチュッパチャプスを砕く音とほぼ同時だっただろう。マイキーの声と共に喧嘩が始まった。私は誰よりも速く先に走り、十八番である飛び蹴りを相手にお見舞した。しかし、私の目的は“暴れる”ことよりも“守る”ことだ。自分で飛び出して後悔したが、私はケンちゃんを探しに駆け回る。
そういえば、一人東卍の服着た奴が向こうのチームにいたような気がする。ソイツが今回の抗争に何か関係しているのだろうか。そんな事を考えていると、マイキーの声が聞こえてきた。“ぺー”と呼ばれた男は、マイキーと何やら話をしている。ぺーって人は確かパーの隊員の副隊長だって話を前聞いたことがある。きっと東卍がパーを見捨てたのだと勘違いしたのだろう。あの会話で誤解が解けるといいんだけど。
そんなことを思っていると、後ろから嫌な気配をして振り返る。振り返った時には、もう私の体は遠くまで飛ばされていた。
『ゲホッ、っ』
「お前誰〜?話に聞いてねぇけど」
『誰だよお前。こんな可愛いレディのお腹に蹴り入れるなんてサイテー』
「俺は半間だ。お前、女のくせに強ぇな」
『私は鬼龍。出会ってまだ数秒で申し訳ないけど、そうやって性別で判断する人間は嫌いだよ』
半間と名乗った男は、もう完全に私をロックオンしてくれているみたいだった。このままだとケンちゃんを探せない。ちゃちゃっとコイツをぶっ飛ばすのが最善だろう。私と半間はお互いに数秒見つめあった後、拳を握って走り出した。
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ひめ☆そら(プロフ) - かかさん» そう言って頂き光栄です!ありがとうございます! (2021年7月9日 13時) (レス) id: f06e616829 (このIDを非表示/違反報告)
かか - 更新楽しみです!無理せず頑張ってください! (2021年7月9日 6時) (レス) id: b7e78c6068 (このIDを非表示/違反報告)
ひめ☆そら(プロフ) - 雪見大福さん» ありがとうございます!!無理せず頑張りたいと思います! (2021年6月6日 13時) (レス) id: f06e616829 (このIDを非表示/違反報告)
雪見大福(プロフ) - これからも無理せず頑張ってください (2021年6月6日 11時) (レス) id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
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