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それだけのものを逆らった、だなんて神はあまりにも都合が良すぎるではないか。
大事な子を助けて、しかも殺されそうになっている子を助けるだなんてことがそんなに悪いことなのか。
「何で殺されそうになってたんですか、その子」
「この前うらさんが話してて途中でやめたやろ。あれホントは続きがあってな。人間界と魔界と天界を上手く取り持つための人間が1回だけ産み出されるんよ。
1回だけってのも、他の身代わりが生きている間は他の身代わりは産まれんよ?」
「その身代わりを助けたんですね。殺されそうになってる所を助けた…ってことか」
「えっ分かる?」
「はい。そのまま身代わりの子は死んで……うらたさんと坂田さんは堕天したって……あれ?何で私分かってんの…?」
「いやそれはこっちが聞きたいねんけど」
何だかよく分からないのに頭の中に一人の少女とうらたさん、坂田さんが出て来る。
一人の少女が拘束されている所に神のような成り立ちの女性が白く輝く剣を持っている。
それをうらたさんと坂田さんがどうにかしようとしている所で…無慈悲にもその白い輝く剣には赤い血がべっとりと付いた。
その奥には志麻さんも、センラさんも居る。
夢のような光景が頭の中に一瞬で過ぎって消えて行った。
「私…にも、分かりません。でも凄く悲しい」
「それは俺もな。だって助けられへんかったもん。うらさんも、まーしぃもセンラも抜け殻みたいにずっと何もしないままただ眠ってた。ショックすぎてずっとずっと眠ってた。五千年ぐらい」
千年、と言うのが普通の人間からしたら大層な目も眩むような時間なのだが、それを眠ってた、という言葉だけで片付けてしまうのもきっと彼ら人外の特徴なのだろう。
大好きな人間を護りきれない、大事な人間が目の前で死んでしまった、と言う気持ちは痛い程に分かった。
私も親友が目の前で死んだと思った時には絶望に打ちひしがれていたのだから。
親友と言っても彼らと同じような化け物が人間界に送り込んだマリオネットだったが。
それでも、きっと彼らは悲しいのだ。
今でもその傷が癒えているということは無い。
化け物ながらにそんな感情が備わっている彼ら四人はきっとどの人間よりも人間らしいし、もしも人間だったら情に熱い人間になっていたのだろうな、と少し寂しくもなった。
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ぴの(プロフ) - いやぁーー!!好きですぅぅぅ(泣)正体不明、天才歌い手シリーズの方も、いつも楽しく読ませていただいています!最新、無理しなくていいですが、密かに待ってます!! (2019年7月14日 15時) (レス) id: c64bb1fc21 (このIDを非表示/違反報告)
トーストぱん(プロフ) - とにかく最高すぎて好きです!!!!! (2019年3月8日 3時) (レス) id: 2929f04cfc (このIDを非表示/違反報告)
トーストぱん(プロフ) - うらたさんとセンラさんがかっこよすぎて過呼吸になりかけましたごちそうさまです!!!フワリと大きな袖で包まれるって…!!!!ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙もう呼吸止まった瞬間でしたよええ!!!最高すぎて評価10押したのに既に投票していますって出るんですよ!!!?! (2019年3月8日 3時) (レス) id: 2929f04cfc (このIDを非表示/違反報告)
トーストぱん(プロフ) - 口にする辺りあh((( 流石だなってなったし志麻さん何気に夢主ちゃんのこと、あの、怖がるだろ的なこと言っててア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ってなったしいやもうほんと好きすぎて好きすぎてヤバいです(語彙力低下)続き楽しみにしてますごちそうさまです (2019年1月25日 4時) (レス) id: 2929f04cfc (このIDを非表示/違反報告)
トーストぱん(プロフ) - ア゙ア゙ア゙好きですさかたんが走り回って夢主ちゃん探しに行ってそれ止めようとセンラさん追いかけてその後志麻さん怒ってうらたさんが思ったことハッキリ言う構図が…もう…あの、机に手をめっちゃバンバンするくらい悶えましたごちそうさまですそんでさかたん禁句を (2019年1月25日 4時) (レス) id: 2929f04cfc (このIDを非表示/違反報告)
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