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魔法使いと賢者はあまり遜色ない様に見えるが、実の所全く違うのである。
魔法使いはその場にある物の形を変えたり、操ったりすることができる。
だが、賢者は全く違って、魔法使いの特性に加えて、何でも自在に作り出せる上に、生き物まで喚び出すことができる。
その説明を坂田がしていると、今度は俺の事を見て「センラさんはキョンシーですか?」と首を傾げてくる。
「そうですよ。キョンシーです。札使ったりするのが基本やね。俺ぐらいになると自分なりに札作ったり、自在にその場で作り出せるんよ。何かと便利ですよ」
「へぇ…お札…カッコいいですね」
「でも、使う時って戦闘の時ぐらいやんね」
「戦闘…っていつですか?」
「あんな、人間が居る所を狙って他のアホな化け物共が襲いに来るんですよほんで、人間は襲われて食い殺されるか、俺らがそのアホ共を殺すかなんですよ。まぁ、此処に来たとしてもすぐに殺して終わりですけどね」
「…」
「なぁ〜んてな!冗談ですよ!そんな暗い顔せんでも大丈夫やって!」
一応、本当のことではあるが、ここでそれを本当だと言って怖がらせてしまっては彼女がただ恐怖心を抱えながら毎日を過ごしてしまうかもしれないので黙っておかなければいけない。
「あの、一つ、お願いしてもいいですか?」
「どした〜?」
おずおずと聞きだすのでそんなに重要なことなのだろうかと思うと、案外何でもないどうでもいいことであった。
「服を何か貸して貰ってもいいですか?ボロボロだし、動きにくいんです…」
招待状が入っていたものと一緒に入っていたであろう黒いドレスは肩口のところが大きく破られていて、うらたんに蹴られたであろう腹の部分も、その他の所も擦り切れていたり、ボロボロに汚れていた。
「そうやなぁ…今から案内もせんといかんし、これから一緒やからなぁ…俺が作れんこともないけどゴウスト呼んだ方がええやろなぁ。センラはどう思う?」
「それでええんとちゃう?取りあえず、今からの分と宴の分とで作ればええやん。他のはゴウストに任せるとしてさ」
「じゃあ、センラマンは宴用の服を作ってな!」
「作れへんて!」
「そんな事言わんでさぁ〜!!」
そんな無茶を言われては困る。
俺の魔力は基本的に戦闘時に使っていると言うのに、そんな人間の服を作るだなんて無茶振りもいい所だ。
なんて、心の中でブツブツと一人ごちながらも適当に彼女のための服装を作っていた。
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ぴの(プロフ) - いやぁーー!!好きですぅぅぅ(泣)正体不明、天才歌い手シリーズの方も、いつも楽しく読ませていただいています!最新、無理しなくていいですが、密かに待ってます!! (2019年7月14日 15時) (レス) id: c64bb1fc21 (このIDを非表示/違反報告)
トーストぱん(プロフ) - とにかく最高すぎて好きです!!!!! (2019年3月8日 3時) (レス) id: 2929f04cfc (このIDを非表示/違反報告)
トーストぱん(プロフ) - うらたさんとセンラさんがかっこよすぎて過呼吸になりかけましたごちそうさまです!!!フワリと大きな袖で包まれるって…!!!!ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙もう呼吸止まった瞬間でしたよええ!!!最高すぎて評価10押したのに既に投票していますって出るんですよ!!!?! (2019年3月8日 3時) (レス) id: 2929f04cfc (このIDを非表示/違反報告)
トーストぱん(プロフ) - 口にする辺りあh((( 流石だなってなったし志麻さん何気に夢主ちゃんのこと、あの、怖がるだろ的なこと言っててア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ってなったしいやもうほんと好きすぎて好きすぎてヤバいです(語彙力低下)続き楽しみにしてますごちそうさまです (2019年1月25日 4時) (レス) id: 2929f04cfc (このIDを非表示/違反報告)
トーストぱん(プロフ) - ア゙ア゙ア゙好きですさかたんが走り回って夢主ちゃん探しに行ってそれ止めようとセンラさん追いかけてその後志麻さん怒ってうらたさんが思ったことハッキリ言う構図が…もう…あの、机に手をめっちゃバンバンするくらい悶えましたごちそうさまですそんでさかたん禁句を (2019年1月25日 4時) (レス) id: 2929f04cfc (このIDを非表示/違反報告)
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