第4章 僵尸の愛情 ページ12
センラside
外には赤く怪しい光を放つ大きな見事な程の月が爛々と輝いていた。
この当たりの人間を引くのには相応しいような、俺らが言うのも何だが、天までもが祝してくれているかのような輝きだった。
それを先程から黙って何も移さないような、真っ黒な生気のない瞳でぼうっと眺めている人間に些か腹が立って居た。
｢何をそんなシケた面してはるんです？｣
腹が立っていたため所々口が悪いだろうが、そんなの化物の俺らにとっては関係の無いこと。
人間は黙って下を向き、ポツリと言葉を零した。
｢……何でもないです｣
チッ、とついつい舌打ちをしてしまった。
何故こんなにも人間は面倒くさいのか。嫌なことは嫌でハッキリ言えばいいし、何かあるのだからそんな顔をしている筈なのだ。それだったら理由を述べればいいだけなのに何故それが出来ずに黙り込むのか。
挙句の果てに、理由を当てなければずっと不機嫌なままで、結局は向こうが怒り出して理由を述べる。
本当にクソみたいなしょうもない生き物だ。実に面倒くさい。
｢まぁまぁ落ち着けって〜！それになセンラ、俺はこの子の考えとる事が分かったかもしれへんねん！｣
｢さかたの癖に分かるんやな…｣
｢俺の癖にぃ！？なんやねんそれぇ！…まぁええわ！ほら、言うとったやろ？愛がどうのこうのって｣
何が愛だ。俺達のような人外は特に愛情や友情などが無くとも人間のように困りやしないし、どちらかと言うとそんな邪魔なものない方がマシだ、と考える事の方が多い。
｢…友達に、会いたかったです……っ、アイツだけは…、私の事好きでっいて、くれたっのに、…っ、……会いたかったぁ……｣
えぐえぐと泣きじゃくる人間を見て、やはり愛だの友情だの下らないエゴを語るのは良くないなぁと思う。
…そう言えば。涙は色のついてない血とでも言うはずだ。
ペロリと人間の頬を伝う涙を舐め取れば、｢ひゃうっ！？｣と愛嬌にも近しい声で驚き泣くのを辞めてしまった。
…甘い。
甘い甘いガムシロップのようだった。
こんな胸焼けのするクソみたいな魔界の掟の苦味すら溶かしてくれるような甘いシロップ。
これはあの二人がここに置きたくなる理由も分かる。
坂田なんかが口にしてしまえば止まることはないだろう。
クラクラしそうな程にまで甘く、虜になりそうなこの味に。
初めて味わうものの筈なのに。
何故だか少し昔の事を思い出してしまうような、酷く懐かしい味がしたのだった。
。。。
すみません、今日から少しだけ更新遅くなります。
週3ぐらいかもしれないです。
本当にすみません！
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ぴの(プロフ) - いやぁーー！！好きですぅぅぅ(泣)正体不明、天才歌い手シリーズの方も、いつも楽しく読ませていただいています！最新、無理しなくていいですが、密かに待ってます！！ (2019年7月14日 15時) (
レス) id: c64bb1fc21 (このIDを非表示/違反報告)
トーストぱん(プロフ) - とにかく最高すぎて好きです！！！！！ (2019年3月8日 3時) (レス) id: 2929f04cfc (このIDを非表示/違反報告)
トーストぱん(プロフ) - うらたさんとセンラさんがかっこよすぎて過呼吸になりかけましたごちそうさまです！！！フワリと大きな袖で包まれるって…！！！！ｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞもう呼吸止まった瞬間でしたよええ！！！最高すぎて評価10押したのに既に投票していますって出るんですよ！！！？！ (2019年3月8日 3時) (レス) id: 2929f04cfc (このIDを非表示/違反報告)
トーストぱん(プロフ) - 口にする辺りあh((( 流石だなってなったし志麻さん何気に夢主ちゃんのこと、あの、怖がるだろ的なこと言っててｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞってなったしいやもうほんと好きすぎて好きすぎてヤバいです(語彙力低下)続き楽しみにしてますごちそうさまです (2019年1月25日 4時) (レス) id: 2929f04cfc (このIDを非表示/違反報告)
トーストぱん(プロフ) - ｱﾞｱﾞｱﾞ好きですさかたんが走り回って夢主ちゃん探しに行ってそれ止めようとセンラさん追いかけてその後志麻さん怒ってうらたさんが思ったことハッキリ言う構図が…もう…あの、机に手をめっちゃバンバンするくらい悶えましたごちそうさまですそんでさかたん禁句を (2019年1月25日 4時) (レス) id: 2929f04cfc (このIDを非表示/違反報告)
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