第1章 宴の合図 ページ1
貴方side
日々の生活にストレスを抱えていた。
父は私のことを物のように扱い、母はヒステリックを起こす度に暴力を振るってきた。
学校ではいじめられはしない物の、陰口が聞こえてくるのは当たり前。
何故こんなにも私ばかりが酷い目に遭うのだろう。
こんな世界、消えてしまえばいい。
こんな世界から私が消えちゃえばいい。
そう思ってビルの最上階に立っていた時。
ふと先程まであったのかは知らないが、物陰に大きな箱があるのが見えた。
何故それが目に止まったかは分からない。
だがそれを開けずには居られなかった。
見事な程に綺麗な満月が辺りを照らし、今日と言うハロウィンの日をより一層楽しませるのだろう。
そんな事とは無縁な私だからこそ今こうしてビルの屋上に立っているのだが。
箱の近くまで行き、じっと見つめる。
まるで今置かれたかのように綺麗なダンボールは不気味な感じがした。
だけど人間は不思議なもので好奇心が勝ってしまうと、どんなリスクがあろうともその物が気になり私のようにこの箱に手を伸ばしてしまう。
そっと箱を開けると綺麗な便箋に、黒のドレス。
何がなにか分からず、便箋を開けてみる。
Happy Halloween
この手紙を見つけた貴方様へ
今宵は浦島坂田船のハロウィンパーティーへと招待致します。
参加・不参加は問いません。
参加される場合は、そちらの箱の中に入っているドレスにお着替えください。
それでは、その地図に書かれている場所へと向かってください。
貴方様のご参加、浦島坂田船一同、心待ちにしております。
Don't Trick or Treat
Alles wegnehmen
「何これ…」
よく分からない不思議でもあり不気味でもある謎の浦島坂田船と言う名の人たちからの招待状。
最期の最期くらい、知らない人たちと楽しんでみる事など今の私に出来るのだろうか。この世の全てを恨んで、憎んでいる私が楽しむ事など。
そう思っているのに、何故か身体は勝手にドレスを着たがる。
そんな現象、不思議な事な筈なのに何の疑問も抱かずにドレスをその場で着る私は苦しさのあまり感覚すらも麻痺してしまったのだろうか。
だが、最期の最期だ。
もうどうなったっていい。
私は招待状を握り締め、夜の街に溶け込んだ。
「また一人、ご招待♪」
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ぴの(プロフ) - いやぁーー!!好きですぅぅぅ(泣)正体不明、天才歌い手シリーズの方も、いつも楽しく読ませていただいています!最新、無理しなくていいですが、密かに待ってます!! (2019年7月14日 15時) (レス) id: c64bb1fc21 (このIDを非表示/違反報告)
トーストぱん(プロフ) - とにかく最高すぎて好きです!!!!! (2019年3月8日 3時) (レス) id: 2929f04cfc (このIDを非表示/違反報告)
トーストぱん(プロフ) - うらたさんとセンラさんがかっこよすぎて過呼吸になりかけましたごちそうさまです!!!フワリと大きな袖で包まれるって…!!!!ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙もう呼吸止まった瞬間でしたよええ!!!最高すぎて評価10押したのに既に投票していますって出るんですよ!!!?! (2019年3月8日 3時) (レス) id: 2929f04cfc (このIDを非表示/違反報告)
トーストぱん(プロフ) - 口にする辺りあh((( 流石だなってなったし志麻さん何気に夢主ちゃんのこと、あの、怖がるだろ的なこと言っててア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ってなったしいやもうほんと好きすぎて好きすぎてヤバいです(語彙力低下)続き楽しみにしてますごちそうさまです (2019年1月25日 4時) (レス) id: 2929f04cfc (このIDを非表示/違反報告)
トーストぱん(プロフ) - ア゙ア゙ア゙好きですさかたんが走り回って夢主ちゃん探しに行ってそれ止めようとセンラさん追いかけてその後志麻さん怒ってうらたさんが思ったことハッキリ言う構図が…もう…あの、机に手をめっちゃバンバンするくらい悶えましたごちそうさまですそんでさかたん禁句を (2019年1月25日 4時) (レス) id: 2929f04cfc (このIDを非表示/違反報告)
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