詰問 ページ9
コアが完成し、そのお祝いとしてパーティーが開かれた。国民もみな祝福し明るい未来に希望を抱いた。そして何事も無くパーティーはお開きとなった。
夜も更けた頃、私はコアへと向かった。
コアの屋上には思わぬ先客がいた。
「やっぱり来たな」
「サンズ君?さっきから姿が見えないと思ったらこんな所にいたのか。危ないよ」
彼は柵に器用に座り、はるか下から煌々と輝くマグマを眺めていた。
「コアが完成して良かったな博士」
「それは君たち研究員のおかげでもあるよ」
「それはどうも」
「それにしてもここで何してるんだい?」
「考え事だ。オイラはアンタの研究を手伝ってコアを完成させた。そしたら、次にアンタは何をする?」
彼は柵から降りて私を振り向いた。いつものように笑っているように見えるが、何か怖さのある笑顔だった。
「それは__」
「この前、オイラたちに的当てゲームと称してマネキンに攻撃させたよな?そしてアンタは褒美としてオイラたちにお菓子をくれた」
「そのゲーム、君はとてもつまらなさそうにやっていたね」
「まあな。パピルスはフツーに『ゲーム』として楽しんでたけどな」
「君にはゲームだと思えなかった?」
「それは博士がよく知ってる事だろ?」
「一体、何のはなしをしているのかな。私には分からないよ」
「そうか?簡単なはなしだぜ。実験体AとBをこれからどうするつもりか、って訊いてるんだが」
彼の眼孔から瞳が消えた。虚ろな目が私の背徳を見透かしているようだった。思わず息を飲んだ。
「すまないな。アンタの観察日記を読んじまってな」
「そうなのか。何故か最近、君の様子が変だと思っていたよ」
数週間前棚にしまい忘れたあの日記。いじられた形跡が無かったからそのまましまった記憶が蘇る。
「本当に命の恩人だし、オイラたちの世話をしてくれる奴を信じてた。でも今はアンタを信用していいのかわからなくなってる」
「信用か」
確かに今彼らを生かすも殺すも私一人で決められる。その事に気付いたサンズは私の行動の如何によっては何かしなければならないと考えたらしい。
「私は別に手荒な真似をする気は無いんだよサンズ」
「それは本当か?ソウル移植機から作ったケツイ抽出機で何かできないか考えてたんじゃないのか?」
それはある意味図星だった。
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anarogu_2gou(プロフ) - かなとさん» 指摘ありがとうございます!久しぶりに作ったので失念してました。助かります! (2019年9月27日 17時) (レス) id: 11a0abaae8 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - 編集画面の関連キーワード入力の下の注意文をよく読みオリジナルフラグをお外し下さい違反です (2019年9月27日 16時) (レス) id: 706a605753 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アナログ2号 | 作成日時:2019年9月27日 15時