兄弟の再会 ページ6
サンズには研究に必要な知識を与えた。彼は地頭がいいのかそれらの事をすぐに理解した。
1ヶ月経ったある日、彼を研究所のメンバーと会わせることにした。
同じく研究で忙しい彼らは快くサンズを受け入れ、仕事を与えた。
私の方もやっとコアに付きっきりになれる。地熱を利用するにあたり発生するオゾンをどうするか、答えが見えてきた。
そんなこんなで順調に全てが回っていたある日の晩、彼の弟パピルスが亡くなった。
「何故だ、どうして」
「グズグズしてる暇はないぞサンズ君!No.462のモンスターを持ってくるんだ!」
「あ、ああ」
慌てて今にも息を引き取りそうなモンスターを用意した。そして彼と同じようにパピルスにモンスターのソウルを移植した。
「パピルス、頼む......!生きてくれ」
やはりパピルスは彼と同じように痙攣し、苦痛に満ちた表情、声なき声をあげていた。そして、ニンゲンのソウルと体がドロドロに溶け落ちた。
肋骨の中で彼と同じ白いソウルが輝いた。
「よし、成功だ」
「本当か!?パピルス!!」
培養槽からパピルスを取り出しベッドへと寝かせた。しばらくすると彼は起き上がり目を覚ました。
「パピルス!!大丈夫か!?オイラがわかるか!?」
「ニェ......」
ぼんやりとしたパピルスは兄へと目を向けた。
「......サンズ?ここは、どこなのだ......?」
「研究室だ。大丈夫、安全な場所だ」
サンズはパピルスを抱きしめた。数ヶ月ぶりの兄弟の再会だった。
「サンズ、オレ様ちょっと眠いぞ」
「ああ、ゆっくり休むといいぜ兄弟」
その言葉を受けてパピルスはそのまま寝てしまった。
「良かった」
「ああ、アンタはオイラたちの命の恩人だな」
「そういう事になるね。彼にはとりあえずサンズ君のお下がりを使ってもらうか」
やはりニンゲンの体、特に骨は頑丈なのだろうか?二人してスケルトンとなりモンスターとして新しく生きる事になった。という事は、ニンゲンに対してモンスターのソウルを移植する事は可能という事だ。これはモンスターにニンゲンのソウルを移植出来る可能性がある事を示しているのかもしれない。興味深い。
再び起きた彼に話を聞いてみるとパピルスはどうやらほとんどの記憶が抜け落ちているらしい。地上の事や自分が人間であったことも忘れていた。サンズが兄という事は本能的なものが働いて理解したようだった。それでもサンズは『オイラの事忘れてなくて良かったぜ』と言い、生きているだけで良かったと判断したようだった。
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anarogu_2gou(プロフ) - かなとさん» 指摘ありがとうございます!久しぶりに作ったので失念してました。助かります! (2019年9月27日 17時) (レス) id: 11a0abaae8 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - 編集画面の関連キーワード入力の下の注意文をよく読みオリジナルフラグをお外し下さい違反です (2019年9月27日 16時) (レス) id: 706a605753 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アナログ2号 | 作成日時:2019年9月27日 15時