概念 ページ12
この部屋に来てからどのくらい時間が経ったのだろうか。灰色一色の部屋では時間というものは存在しないかのようだった。
ここに来てから私はこの世界で何が起きているのかわかるようになった。わかる、というよりは感知すると言った方が正しいか。これもバグならではのものなのかもしれない。
つい最近、私の後任となったアルフィー君がケツイを様々なものに注入している。なかなか実験は思うように行かないようだが、彼女なりに頑張っているようだ。その関係か"モンスターでもニンゲンでもない何者"かがセーブとリセットを繰り返すようになった。
この当たり前のように流れていた世界の時間にリセットという概念、そして"時間軸"が生まれた。
何者かの強い『生きたい』というケツイがそれを可能にしたようだ。
リセットされる度に地底世界は何度も同じ物語を綴り続ける。少しずつセリフや形を変えて。それを何者かは飽きずに繰り返していた。
ある日突然、部屋のドアが開いた。
「よお」
懐かしい声がした。青いパーカーを着ていたが見慣れた顔だった。
「サンズ君!久しぶりじゃないか。どうしてここが分かったんだい?」
「その話はあとだ。聞きたいことがある」
彼はかなり疲れた様子だった。
「この世界はどうなってるんだ?パピルスと遊んでも、ホテルでショーをしても、グリルビーズで誰かと話しても全て覚えがあるんだ。夢で見たようなデジャヴが何をしても起きる」
一体どうなってるんだ、と彼は言った。
私は彼にセーブとリセットの概念と繰り返されていることを話した。
「あー、そういうことか......なるほどな」
「サンズ君?」
「いや、なに、オレたちがした事は全て無駄だったって事かと思ってな」
彼らしくない言葉だった。彼はもともと飄々としながらテキパキと仕事をこなすタイプだった。それを今までも続けて来たのだろう。
私と約束したことを成し遂げるために。それだというのにここしばらくの体験によって何をしても全てが振り出しに戻ると悟ったのだ。
「諦めることはないよ。いつか必ず君たちは地上に出れる。可能性が無いわけじゃない」
「ニンゲンが落ちてこない限りはほとんど不可能だぜ?それはアンタもわかってるだろ」
もうたくさんだ、と彼は不満をこぼした。
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anarogu_2gou(プロフ) - かなとさん» 指摘ありがとうございます！久しぶりに作ったので失念してました。助かります！ (2019年9月27日 17時) (
レス) id: 11a0abaae8 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - 編集画面の関連キーワード入力の下の注意文をよく読みオリジナルフラグをお外し下さい違反です (2019年9月27日 16時) (レス) id: 706a605753 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アナログ2号 | 作成日時：2019年9月27日 15時
