Remind He of The Memory ページ5
中学に上がって、本当に接点がなかった。
バレー部の体育館とテニス部のテニスコートは離れすぎていたし、クラスも両端だった。
俺にとっては少しだけ都合が良かった。
君に依存している俺を抜け出せるいい機会だと思った。
少しだけ距離を置く意味を込めて、呼び方を変えたけれど、関わりのなかった2年間でも、俺の中でAと呼びたいという思いはいつもあった。
俺はAと違って鈍感ではなかった。自分に対しても他人に対しても敏感だ。
俺がAをどう思ってるのか、その頃にはもうわかっていた。
だってAと話す男がいたら無意識に男を睨むぐらいには君を独り占めしたかった。
他人にも敏感だと自負していたのに、君の気持ちなんて一切わからなかったんだけどネ。
3年でクラスが一緒になれた時は叫ぶかと思うぐらい嬉しかったけど、小さなガッツポーズで抑えたんだよ。
進路希望調査票が配られた時、真っ先に君はどこに行くのかを知りたかった。
生憎俺は既に鍛治君に白鳥沢に呼ばれてたから、もし君が違う学校に行くなら追いかけることなんてできなかったけれど。
でも君は頭が良かったから、勉強嫌いでテスト勉強なんて各教科1時間ぐらいしかしないくせにいつも学年上位だったから、もしかしたら一緒かもしれないって期待した。
「覚はどこの高校行くの？」
あの時俺は、君は俺が引いた一線を軽々と超えてきたと思ったんだ。
でもそうじゃなかったんだと知って、今の俺はすごく調子に乗っている。
「俺は白鳥沢から推薦きてるから白鳥沢に行くヨ。Aは？」
君がくれたチャンスを無駄にしないように名前で呼び返した。柄にもなく緊張してた。
「本当？私も白鳥沢！」
期待していた答えが返ってきて今にも「今日の俺120点！！」って叫びそうになるのを堪えた。
そこから俺たちは昔と同じようで少し違う関係を築き上げた。
Aが怪我で試合に出られなくなった時、教室で授業を受けるAが、小さい頃に泣くのを堪えている時にするクセが出ていることに気づいた。
泣きそうになると、Aは自分の頬っぺたを握りつぶすようにする。
放課後の部活に行く前、「泣きたいなら泣けば？胸ぐらい貸してあげるヨ。」と男前発言をしてみた。
Aは俺に駆け寄って泣いた。
俺は何も言わずに頭を撫でることしかしなかったけど、心の中で「いい匂いするなぁ」とかは思ってた。うん。
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上 - 泣かしに来てるよ…天才ですかぁ (2019年3月15日 20時) (
レス) id: 9372013e0c (このIDを非表示/違反報告)
亜京目(プロフ) - めっちゃ感動しました。寝よう寝ようと思ってはいるのにページを捲る手が止まらず… 書き方に雰囲気があってとても好きです (2019年3月12日 5時) (レス) id: 7f37cdc276 (このIDを非表示/違反報告)
ふじもん(プロフ) - リクエストしたいのですがこれを若様バージョンでお願いします！ (2018年9月23日 21時) (レス) id: 9aa2f2467a (このIDを非表示/違反報告)
佐久間 - 長身集団www (2018年8月17日 17時) (レス) id: ea485f4be1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パン田くん | 作成日時：2018年5月21日 23時
