【ハイキュー!!】女神を追いかけて来ました。【逆ハー】

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Aside





とても、とても、とっっっても長い、緩急のえげつない、そんな日がやっと終わろうとしている。



至福のお風呂タイム。



浴場の湯船で思い切り体を伸ばす。



体には機嫌が悪い父ちゃんに殴られた時のとか不良活動のとかで、とにかく痣や傷跡が多い。


だからなるべくうまくタイミングをずらして1人で入る。



今日は色々ありすぎや、ほんまに…



みんなの前で泣いてしまったことなんて、今日の昼の出来事なのにずっと前のことに思えるほど、



若利くんの告白と及川さんの告白が私の頭を占領する。



「物好きもおったもんやなあ」



湯船に顔をうずめる。




『お前のことを愛していると言ったんだ。』


『野口ちゃんのこと、好きだから。』




2人の顔と言葉がよぎってバシャッと、勢いよく湯から上がる。




危うくのぼせるところやった。



熱くなった体を早く冷やそうと浴場から出る。



体を拭きながら脱衣所の全身鏡にふと写った自分を見る。



どこにでもいるような顔立ち。


カラーを繰り返していたんだ髪。


女らしくはない筋肉質な身体。


もちろん背は高い。






やっちゃんのような可愛らしさもない。


清水さんのような美しさもない。


白福さんのような柔和さもない。


雀田さんのような凛々しさもない。




まるで何もない。私には。




そんな私に彼らみたいな努力家で真面目な上に顔立ちも素晴らしい人に好かれる要素は一切ない。




本当に私のどこが好きなのか問いただしたい。

嘘をつくような人じゃないことはとうの昔から知っとるし。

こんな私のどこがええんか教えて欲しい。







「はあ…」





少し落ち着いたあと、浴場の前にある自販機でなんとなくコーラを買った。



喉に炭酸の刺激と強烈な甘味が走る。




普段はこんなに甘いものを選んだりせんから、疲れてるんやなと感じる。



まあ、あとはもう歯磨いて寝るだけやし。




消灯まであと1時間ぐらい。




「野口」


呼ばれた方を向く。




「ちょっと話があるんだけど、いい？」





私の1日はまだ終わってくれませんでした。

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