29 ページ29
Aside
声のする方を向くと菅原さんがいた。
「いいですよ?」
今日の2連告白で感覚がバグった私はまた告白されるんじゃないかと少し身構える。
「そんな身構えなくてもいいべ!」
菅原さんはいつもの菅原さんだった。
…よかった、何もなさそうだ。
「昼の話さ、思い出して大丈夫だった?」
「大丈夫ですよ!もうだいぶ落ち着きました。」
微笑む菅原さんは本当に可愛い顔をしとる。
「野口は、川西が恋愛の意味で好きなの?」
「…うん??」
すごい可愛い顔で微笑みながらとんでもないこと言うてくるやんこの人。
「太一はかけがえの無い人やけど、恋とかは、多分ないです」
太一は理解者っていう括りでしか見たことがなくて、恋愛の方で考えたことはない。
というか、『どん底から助けてくれた恩人』って言うのが強すぎて、恋愛で考えるなんて烏滸がましいとすら考えとった。
「じゃあさ、俺にもまだチャンスあるよね?」
「…はい??」
チャンス??と頭の中でハテナが広がる。
その顔が面白かったのだろう、菅原さんは声を堪えて笑い始める。
「俺さ、野口のこと好きなんだよな。」
ひとしきり笑った後に菅原さんは言った。
もちろん、恋愛の意味だべ?と追加して。
…ナニコレ今日どないなっとるん??
今日3度目の心臓2倍速。
「俺のことも恋愛的な目で見てないの知ってるけど絶対好きにさせるから」
ぽかんとする私に菅原さんは言った。
え、はい…と間抜けな返事しか出ない。
「あとさ、なんで俺らは下の名前で呼ばせてくれないの?」
菅原さんの問にうまく働かない頭を無理やり稼働させる。
「えっと…最初は、バレーに関わりたいけど、昔のがあって怖いし、侑と治との約束もあったのでバレー部に入るつもりはなくて、でも下の名前呼ばれて距離がより近くなったら、部活に入ってしまう気がして、でも清水さん見たいし…」
脳がパンクしてるせいで途切れながらも答える。
するとまた菅原さんは笑った。
「よかった。俺らのこと嫌いなのかと思ってた」
「そんな、嫌いなわけないやないですか!」
慌てて言葉を返す。
「知ってるよ、A」
今度は名前で呼ばれる。
「俺のことも孝支って呼んで?」
「孝志さん?」
そういうと孝志さんはにっこりと笑う。
「明日から猛アピールするから覚悟しろよA!」
そう言って頭を撫でて、おやすみと言って去る孝志さん。
野口さんの心臓、過労です。
340人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
zero(プロフ) - スガさんのこうしの漢字、誤字ってます (2021年8月1日 0時) (レス) id: 0d7a47aa6b (このIDを非表示/違反報告)
るかち(プロフ) - 千花さん» コメントありがとうございます!スガさんもいいですねえ…あの人も夢主を支える(過激派)ですからねえ… (2020年12月6日 6時) (レス) id: 6d1a9a4ec9 (このIDを非表示/違反報告)
千花(プロフ) - 落ちは菅原さんがいいです! (2020年12月6日 4時) (レス) id: 3f06c5551a (このIDを非表示/違反報告)
るかち(プロフ) - ライムさん» リプありがとうございます!夢主支え続ける系川西太一、絶対いいと思って書いてみたら予想以上にハマり役でした…ありがとうございます! (2020年12月5日 20時) (レス) id: 6d1a9a4ec9 (このIDを非表示/違反報告)
ライム(プロフ) - オチできたら川西くんが良いです〜。ここまで夢主ちゃんを支えてきてくれたんだから報われてほしぃ..... (2020年12月5日 20時) (レス) id: 9da108d461 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:パン田くん | 作成日時:2018年5月19日 22時