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宮城の薄暗い道路脇に、男と、その男に絡まれるねーちゃんがおった。
「おい、邪魔なんやけど」
「あ?なんつったんだてめえ。」
「邪魔や言うてんねん。そのねーちゃん怖がっとるやろ。」
「…嬢ちゃんも美人じゃねえか。俺と遊ぼうぜ?」
「さっさーいねや。せやないと…あと5秒で1発殴る。殴られたなかったらさっさとその汚い手離してどっか行け。」
そう挑発したらすぐにねーちゃんから手ぇ放して私の肩を組む男。
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「まあまあそんなこと言わずにさあ」
4
「…ねーちゃん今のうちに逃げとり。」
ねーちゃんが近くにあるコンビニの方に走っていった。
3
「はあ?何勝手なことしてんだよてめえ。」
男が私の胸ぐらを掴む。
2
「一度痛い目見てもらおうかなあ嬢ちゃんヨォ」
少しずつ胸ぐらを掴む手に力を加える男。
1
「私は警告したで。どないなっても知らんからな。」
0
右手の拳で思いっきり男の鳩尾を殴る。
男はすぐさま手を離して腹を押さえる。
今度は私が男の胸ぐらを掴み、足をかけて男を転ばせる。
「これ以上殴られたなかったら、さっさー帰れ。」
そう男に言い放った。
男は腹を押さえて走って逃げた。
「あのっ…!」
後ろから女の人の声が聞こえて振り返った。
そこには逃げたはずのさっきのねーちゃん。
「大丈夫?怪我、してない?」
大丈夫や、と返すとほっと肩をなでおろすねーちゃん。
ちょうど月が雲に隠れて、街灯も少ないからはっきりと顔は見えん。でも多分美人。
「ほんとに、助けてくれてありがとう。」
月明かりが差して照らされたねーちゃんの顔はほんまもんのべっぴんさんやった。
そのべっぴんさんが私の顔を、瞳を、捉えて.
『ありがとう』
って言ってくれた。
今までにないぐらい心動かされた。
やめや。こんなしょーもないこと。
「いや全然ですよ…あの、ねーちゃんが良かったらやけど、名前と学校、教えてくれへん?」
私は意を決して聞いた。
「清水潔子…烏野高校1年です」
名が体を表すとはこのことか、と思った。
私は、この人のために生きようと思った。
一言で私の心を動かした人をもっと見たいと思った。
次の年の春、私は烏野高校に入学した。
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zero(プロフ) - スガさんのこうしの漢字、誤字ってます (2021年8月1日 0時) (レス) id: 0d7a47aa6b (このIDを非表示/違反報告)
るかち(プロフ) - 千花さん» コメントありがとうございます!スガさんもいいですねえ…あの人も夢主を支える(過激派)ですからねえ… (2020年12月6日 6時) (レス) id: 6d1a9a4ec9 (このIDを非表示/違反報告)
千花(プロフ) - 落ちは菅原さんがいいです! (2020年12月6日 4時) (レス) id: 3f06c5551a (このIDを非表示/違反報告)
るかち(プロフ) - ライムさん» リプありがとうございます!夢主支え続ける系川西太一、絶対いいと思って書いてみたら予想以上にハマり役でした…ありがとうございます! (2020年12月5日 20時) (レス) id: 6d1a9a4ec9 (このIDを非表示/違反報告)
ライム(プロフ) - オチできたら川西くんが良いです〜。ここまで夢主ちゃんを支えてきてくれたんだから報われてほしぃ..... (2020年12月5日 20時) (レス) id: 9da108d461 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:パン田くん | 作成日時:2018年5月19日 22時