Pentagonと送る徒然草 第3夜

Critical beauty〜怪我の巧名 ページ4

Side E.dawn



勢い良く入ってきたメンバー
そこにはシノナとウソガに支えられて目元を真っ赤にしたイェナ二もいて、Aﾋｮﾝを見て息を飲んだかと思うとぽろぽろと涙が溢れだす


『…おいで、イェナ二』


しんとした部屋でﾋｮﾝが手招きする

ウソガがﾋｮﾝの前にイェナンを座らせると涙もそのままに辛そうに顔を歪める弟の頬を両手で包んで、Aﾋｮﾝは笑った


Yn「ごめんなさい！っひ、ﾋｮﾝ…ぼくのせいでっ」
『泣かないの…ちょっと失敗しちゃったけど、お前はおれの大事な子なんだから』

守るのは当たり前でしょ
ふわりと笑うAﾋｮﾝに、イェナンは声をあげてしがみついた


いつの間にか涙は俺の頬にも伝染してた
ﾋｮﾝの穴は大きい、1つの活動に参加できないことは常に淘汰されゆく世界にいる俺達にとって想像以上に厳しいものだ
活動に向けた2人の頑張りをよくわかってたからこそ、完全体で活動できない現実が辛くて悔しくて…
でも笑うAﾋｮﾝには何の後悔も映ってなくて、その姿はやっぱり格好良かった

皆で散々泣いて腫れた目を見て笑いあって、俺達は漸く暗い夜から抜け出せた気がしたんだ







Hui「あの後さ、お医者さんが言ってたんだ」
Ed「何？」
Hui「イェナンの処置の確認して貰ってる時、マネヒョンに話を聞いてたらしいんだけど…」

一段落着き、飲み物を買いに出てきた俺はフイヒョンの話に背筋に冷たいものを感じていた



「疲労が溜まってるようですね、話は聞きましたが…あの人に感謝して下さい」
Hui「それはどういう…？」
「頭から倒れたと聞きました。受け身も取らず、もしそのままぶつかっていたらこんなものではすまなかったかもしれません」
Ws「え」
「勿論何も起きなかったかもしれない、ですが…もしあの人が倒れる方向を変えていなければ頭から突っ込んでいた可能性だってありました。そうなれば頭にもっと酷い怪我をしていた筈…二人共外傷だけで済んだのは、寧ろ幸運だったと思いますよ」

仕事なのはわかりますが受け身も取れないほど疲労が溜まっているのはそもそも問題です、そうお医者さんは溜め息をつくと包帯を巻き直して出ていった



Ed「…」
Hui「想像したら怖くなってさ…Aﾋｮﾝは身体が勝手に動いただけって言ってたけどもうそれも何か恐ろしくて」
Ed「…はぁぁ」




どこまで考えてAﾋｮﾝが行動したのかはわからない、けど最悪の状況にはならなくて良かったと俺達は改めて深く息をついたのだった

Critical beauty〜道標→←Critical beauty〜永夜

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す