Pentagonと送る徒然草 第3夜

ドニのお姫様日和 ページ23

「「「「…」」」」
『…ただいま、…悪いけど暫く部屋には来ないで』


どこからか帰ってきた2人を見てメンバーはあんぐりと口を開けたまま目を見開いた
その場にもし誰か居合わせていたのならその人の目にはさぞアホ面を晒した4人が映っていたに違いない
2人が扉の向こうに消えると無言のまま見送っていたメンバーは近所迷惑確実であろう叫び声をあげた


その後直ぐ様上の階の住人が駆けつけ叫んだ面々はしこたま怒られたわけだが…まぁしかしちゃんと理由はあった



Kn「ねぇちょっと聞いてんの！？やめてよ叫ぶの心臓に悪い！」
Hui「ていうか近所迷惑！ヒョン達いないからって騒ぐなよ！」
Si「…A、ﾋｮﾝ…が」
Yw「？何なの皆殺人鬼でも見たような顔して…」
Yt「…Aﾋｮﾝがドニヒョン姫抱きにして帰ってきた」
Yn「は？」
Hs「…ドニは顔見えなかったけど」
Ws「ひ、ﾋｮﾝが怖い顔で部屋には暫く近付くな、って…」
「「「はぁ！？？」」」






ーーーー


Side E.dawn




Ed「っひ、ﾋｮﾝ…」
『…』
Ed「ﾋｮﾝ、お、降ろして」
『いや』
Ed「う…」



俺はベッドに座ったAﾋｮﾝの膝に抱き締められたまま動けないでいた
いつぞやの屋上を脳裏に過らせたがその時とは状況が違う、黙ったままの彼はしっかりと俺を抱き締める腕とは裏腹に確実に怒りを孕んだ瞳をしていた

いつもならこの状況に諸手を挙げて喜ぶところだがそんな場面でもないのはわかる…彼が怒っている原因の一端は多分俺にあるから

時は数刻を遡る






Prrrrr


Ed「…」


震える電話を見て溜め息をつく、少し前…Triplehの活動から始まったそれ

事務所の戦略的にもある程度物議を醸すことは必要だったとはいえヒョナヌナとがっつり絡んだことによる批判的なペンとサセンからの嫌がらせは予想以上に酷かった

鳴り続ける電話に脅迫めいたメールや手紙、何処から情報を仕入れるのかそれらは事務所と言うフィルターではもう防ぎきれずちらほら俺の目にも晒されていた

各自の活動が忙しい今、メンバーに言うのも憚れたし最初はそこまで気にしてなかった
こうなることは、ちゃんと覚悟していたつもりだったから

でも今日、1人で作業していた時に実家から入った電話
疲れたような母から聞かされた話に批判の余波は家族にまで拡がっていたことを知って、どうしようもないやり場のない気持ちと罪悪感に押し潰されそうになった俺は気がつけば事務所を飛び出しいつの間にか公園にぽつりと1人座っていた

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