ハンドクリームの魔法 ページ26
嘘、本当はすっごく優しい奴
いつも俺が言いたいことなんてわかってて、俺が話しやすいようにとそっと手を引いてくれる
でも俺の手を引くくせに気が付けばいつも後ろにいて、俺が進むのを優しく見つめてるんだ
『だって、ヨリヒョン、可愛いんだもん』
Cy「うっせ、…あーもう、ほらやってくれるんだろ?お前が言ったんだからな!」
ふわりと笑んだ彼の目の前にそっぽを向きながら握っていたものを突き付ける
『…これがヒョンのお気に入り?』
Cy「…いや?」
『んーん、良い匂い…ありがと、ヒョン手出して?』
Cy「ん」
渡した容器を開けて俺の差し出した手に中身を垂らした彼はそっとその美しい手で俺の手の平ごと包み込んだ
『…気持ちい?』
Cy「…うん、気持ち良い〜…」
指先から手の平を細かく揉み込みながらマッサージしてくれるAにうっとりしながら瞳を閉じた
事の始まりは少し前、ライブなんかでもギターを使うことが多くなっていた俺は少し手荒れや傷が酷くて、でもあんまり気にしてなかった
男ってそんなもんだよね?ベクみたいにファンから美しい神の手!とか言われてたら気にするかもだけど俺のはまぁ普通だし
だから放置していたんだけどある時それを見付けたAがファンに貰ったハンドクリームを塗りながらマッサージしてくれたんだ
まぁそれが上手いのなんの…気持ち良すぎて寝ちゃった俺が目覚めるとしっとり綺麗になった手からは良い香り…とどめにヨリヒョンとおれ、同じ香りがするねってAがにこにこ言うから手荒れが治るまでってお願いして頻繁にやってもらってた
別に手なんて気にしてなかったけどAと同じ香りとか!それだけで1日頑張れる…!!
でもAが貰った小さなチューブはあっという間に無くなり、比例して俺の手荒れも治っていったからもうしてもらえないなって残念な気持ちでいたら、Aはそんな俺を見越してか次はヨリヒョンがハンドクリーム持ってきて、そしたらおれも買わなくて良いしその代わりにマッサージしてあげるからって言ってくれた
喜んだ俺はお気に入りのクリームをあげるって約束したんだ
そしたらマッサージもお願いできるし俺とA、俺の好きな薫りでいられるじゃん?最高かよ…
まぁそんなこと言うとやっぱり犬だなって言う奴がいるから(KとかLとかSとか)そんなこと言わないけど!!
『…また傷…ヒョン、痛い?』
Cy「んぁ?…へーき、別に傷くらいいいよ、俺ベクみたく手キャラじゃないし」
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作者名:奏 | 作成日時:2017年9月7日 17時