33皿 ページ33
秋の選抜本選、1回戦敗退。
私の
結果から言うと、私はリョウくんに負けた。
負けたのは本当に悔しいけど、本選に出場してあのリョウくんといい勝負ができたなら、それは私にしては上出来だったのではないだろうか。
負けてしまったけど、私のラーメンだってかなりの好評だったし、リョウくんからもやるじゃねーかよ、とお褒めの言葉をいただいた。
今は、それだけでいいじゃないか。
「…なんて顔してるの。」
『…緋紗子か。あはは、負けちゃった。』
「あぁ、見てたから知ってる。…お疲れ様。」
緋紗子は泣きそうな私の頭に手を置いて、優しく撫でてくれた。
嘘だ。いい訳がない。
私は、えりなの隣に、そばにいてあげたいのに。
こんなんじゃ全然ダメだ。
…もう、時間がないのに。
『えりなのところまで、遠いね…。』
「…そうね…。」
緋紗子は、ついに涙をこぼしてしまった私の目元を優しく拭ってくれる。
それから、緋紗子は絶対に自分が勝ってみせると約束して私と別れた。
それからしばらくして、私も落ち着いたところで顔を整えてから外へ出た。
外には極星寮で予選のお祝いをしたメンバーが揃っていて。
当然そこを通った私にみんなも気づいたわけで、声をかけられてしまった。
いや、別に嫌なわけじゃないんだけどね。
「あ、Aちゃん!お疲れ様、ラーメンすごかった!」
「あぁ、見事な料理だった。」
『あはは、ありがとう。そりゃあ結構頑張ったからね。幸平くんは1回戦突破おめでとう!』
「おお、サンキュ。しかし、神楽坂の料理も美味そうだったなぁ。今度食わせてくれよ。」
『もちろん、』
これだけの人数がいれば、会話は途切れることを知らなくて。
このメンバーでいるのは楽しいし、つい時間を忘れてしまうからいけない。
…こんな風にすぐに笑えるなんて、やっぱり私は、こっちじゃない、のかな…
みんなと話して笑ってるその奥では、こんな暗いこと考えちゃったりしてて。
気づいた時にはもうえりなの業務も終わっている時間で、私は急いでえりなの元へと走った。
266人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
水愛(プロフ) - R!Nさん» コメントありがとうございます!これからも頑張っていくので、よろしくお願いします! (2019年10月22日 7時) (レス) id: b9ec477e49 (このIDを非表示/違反報告)
R!N(プロフ) - とても面白いです!頑張ってください! (2019年10月21日 23時) (レス) id: 5067a2983b (このIDを非表示/違反報告)
水愛(プロフ) - チョコ味噌スープさん» ありがとうございます!コメントもらえてすごく嬉しいです。これからも頑張っていくので、よろしくお願いします! (2019年10月19日 23時) (レス) id: b9ec477e49 (このIDを非表示/違反報告)
チョコ味噌スープ - 初感想頂きました!!頑張ってください!応援してまぁす! (2019年10月19日 22時) (レス) id: 956f84dad7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:水愛 | 作成日時:2019年8月13日 16時