花びら38枚 ページ38
最後の１つ。
私が新しい作戦で言われた戦車は今標準を合わせているもので最後だ。
もうほとんどの戦車が他の班によって撃破されており、残りはこれを含めた2、3台である。
自分の心拍数が上がっているのがわかる。
早くしなければ、と焦っているのがわかる。
それは、残りが少なくなっていることからのプレッシャーでもあり、階段を上がってくる敵兵の気配があるからでもある。
自分の心臓の音がうるさくて煩わしい。
いっそのこと止まってくれとでも言いたいくらいだ。
焦れば焦るほど標準が定まらない。
そうこうしている間に扉が開かれる。そして銃声と刃物が交わる音。
それでもスコープから目を離すことはしない。
やり切らなければいけない。先輩の呻き声が聞こえた。少量の赤い血が見える。
その瞬間、引き金を引く。
徹甲弾の行き先を確認する間もなくライフルから手を離し、自分専用のダガーナイフを引き抜く。
今にも先輩の頭めがけて銃を撃とうとしていた敵の手首を切り落とし、そのままの流れで心臓を突く。
急に起き上がった私の行動に驚いたのか敵兵たちに動揺が走る。
右肩に銃弾を受けたのか、血に塗れだらりと力の抜けた右腕とそこら中に切り傷のある先輩が目に入る。
その瞬間、頭に血が上ったのがわかるくらいに怒りが湧いてくる。心なしか視界が赤い。
情けない。自分がこんなに近くにいながらもこんなに怪我させてしまったことが。
収まらない激情に身を任せそうになりながらも、頭は冷静に動かす。
『…お前らさ、私の仲間傷つけたんだから、ただで帰れると思うなよ。』
その自分から発せられた声は思っていたよりも冷静で、ただその激情を奥に潜めたものだった。
そんなことにも気づかないバカな敵兵どもは女である私を見て、舐めたように勝ちを確信した笑みを浮かべる。
今さっき自分たちの味方が殺されたことを忘れているのだろうか。
この私の激情に気づかないというのだろうか。
軽く抑えていた殺気を、この気持ちのままに放つ。
すると、やっと何かに気づいたのか敵兵は驚いたように震える声で銃を撃つように叫びながら、発砲する。
だけどもう遅い。
先輩に当たりそうな銃弾は数発弾きながら、一瞬とも取れるスピードで相手の方へ近づく。
ダガーナイフが届く距離になった敵兵の1人の首めがけて、真横に振り抜く。
慌ててこちらに発砲したもう1人には、もう1つのダガーナイフを心臓に投げつける。
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水愛(プロフ) - ありがとうございます！そう言ってもらえてすごく嬉しいです！これからも頑張っていくので、よろしくお願いします。 (2019年3月30日 20時) (
レス) id: b9ec477e49 (このIDを非表示/違反報告)
凛月香(プロフ) - 初コメ失礼します！もう好きです((語彙力。更新楽しみにまってます！ (2019年3月30日 19時) (レス) id: 7680aed55f (このIDを非表示/違反報告)
水愛(プロフ) - わたあめさん» ありがとうございます！そんな風にコメントもらえるとすごく嬉しいです！これからも地道に更新していくので、よろしくお願いします。 (2019年3月26日 20時) (レス) id: b9ec477e49 (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ(プロフ) - コメント失礼します！この作品とっても面白くて、更新がめちゃめちゃ楽しみです！更新頑張ってください！ (2019年3月26日 19時) (レス) id: 9784390969 (このIDを非表示/違反報告)
水愛(プロフ) - リツトさん» ありがとうございます！そんな風に言ってもらえて光栄です…！相変わらずゆっくり更新にはなりますが、頑張っていくのでよろしくお願いします。 (2019年3月25日 22時) (レス) id: b9ec477e49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水愛 | 作成日時：2019年3月11日 21時
