花びら35枚 ページ35
この私たち狙撃部隊にとってのトランシーバーは他の隊との位置付けとは少し差がある。
狙撃隊は一班が少人数で、任務上散開していることが多いので、班ごとに１つトランシーバーが配られている。
他の部隊と連携を取る機会が多かったり、奇襲を仕掛けたり、様々な作戦に臨機応変に狙撃部隊を使えるようにするためである。
他の部隊のB02なら隊員にトランシーバーが配られることはまずない。
他の部隊は狙撃部隊とは違い団体行動が主であることや、近接戦闘中に壊れる可能性が高いためである。
しかし、トランシーバーといっても私たちに配られるようなものは、レベルの低いもので、隊員同士での通信はできないようになっている。
できるのは、隊長や分隊長たちがいる本拠地の通信機との通信に限られている。
つまり、もちろん今かかってきたこの通信も本部からの通達ということだろう。
『はい、B02c班、Aです。』
「よし、繋がってるな。こちらキース。c班、お前ら今どこにいる？」
『今は狙撃ポイントc-12に向かっているところです。』
通信の相手はやはり、本拠地にてB02狙撃隊の動きを確認をしているキース分隊長だった。
今いる場所を聞くと、何か渋っていたのか少し間が空いてから本題が話された。
「実は、戦線の後ろの方に想定していなかった機甲師団がいる。そこから見えるか？」
私たちのような一般兵士には相手側の詳しい作戦は伝えられていないが、我が国の情報部隊が想定しきれないことはとても珍しいことだと聞いていた。
なので、そのキース分隊長の言葉に驚きつつも、狙撃ポイントに着いたところでスコープを覗き、戦線の奥を確認する。
『…はい、確認できました。』
「あれを撃破してほしい。この作戦を緊急作戦とし、B02c班を含めた数班に任せようと思う。できるか？」
ここから戦車までの距離や風速、高さ、そして、自分の中のコンディション。
それら全てを総合的に考えて、判断する。
『…できます。』
たった一言。でも私が自分で言ったその一言で、自分の中の何かが、プレッシャーで押しつぶされそうになる。
それを思いきり深呼吸することで振り切り、頭の中をスッキリさせる。
「よく言った。それでは、作戦を説明していく。」
満足そうなキース分隊長の声を聞いて、やってやる、という気持ちが溢れてくる。
キース分隊長から作戦を聞いている間はもう、プレッシャーなんてものはなく、目の前のことに深く集中できていた。
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水愛(プロフ) - ありがとうございます！そう言ってもらえてすごく嬉しいです！これからも頑張っていくので、よろしくお願いします。 (2019年3月30日 20時) (
レス) id: b9ec477e49 (このIDを非表示/違反報告)
凛月香(プロフ) - 初コメ失礼します！もう好きです((語彙力。更新楽しみにまってます！ (2019年3月30日 19時) (レス) id: 7680aed55f (このIDを非表示/違反報告)
水愛(プロフ) - わたあめさん» ありがとうございます！そんな風にコメントもらえるとすごく嬉しいです！これからも地道に更新していくので、よろしくお願いします。 (2019年3月26日 20時) (レス) id: b9ec477e49 (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ(プロフ) - コメント失礼します！この作品とっても面白くて、更新がめちゃめちゃ楽しみです！更新頑張ってください！ (2019年3月26日 19時) (レス) id: 9784390969 (このIDを非表示/違反報告)
水愛(プロフ) - リツトさん» ありがとうございます！そんな風に言ってもらえて光栄です…！相変わらずゆっくり更新にはなりますが、頑張っていくのでよろしくお願いします。 (2019年3月25日 22時) (レス) id: b9ec477e49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水愛 | 作成日時：2019年3月11日 21時
