王子たちに恋されて【オリジナル】 (ページ4)

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主「失礼します」

片桐「お、やっと来たな」

主「先生、放課後になってまだ20分です。
私の教室から職員室まで10分前後は最低でも掛かります。
よって、"やっと"という表現は相応しくありません」

片桐「難いなー、お前は」

片桐剛(ｶﾀｷﾘﾂﾖｼ)
36歳の脱力系独身教師。
中等部の頃三年間私のクラスの担任だったのがこの男だったから信頼できる仲であるのは確か。

ただ、三十代後半のくせに
やたらイケメンで二十代前半に見えてしまうため女性からモテるのは解せぬ。

この前なんか中等部のモテランキングの上位に居そうな綺麗な女の子に告白されていた。
運悪く、その子は諦め悪い子で春休み中ずっと付き纏われ、いい加減迷惑に思ったらしく諦める様に言ったところ、
キスをしてくれたら諦めると言われて、
悩んだ末、キスしたらしい。

事情はどうであれ未成年に手を出したのは変わらないよね。

主「それで、ご用件は」

片桐「察してるとは思うが、入学式についてだ。
まあと言っても、新一年生に高等部専用ブローチを渡す役目をしてほしいんだが」

主「新一年生全員にですか？」

片桐「いや、お前の推薦でもいいから誰かに協力頼め」

主「先生は何もしないんですか？」

片桐「あー、うん、まぁ、俺も先生だから忙しいんだ。まあ頑張れ」

主「投げやりじゃないですか」

片桐「華満、良い事教えてあげよう」

主「？」

片桐「大人に期待しちゃ駄目だ」

主「大人失格ですね」