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泣き虫と弱虫 (NAN) ページ6




隣で涙目で映画を観ているあいつを横目に俺は困っていた




あぁ、どうしよう






目の奥が熱い。これじゃあ
あいつに泣き顔を見られる


いつの間にか終わっていたのか俺の方を見ていたあいつが



「にの」



名前を呼ばれた瞬間


腕をぐっと引っ張られあいつの胸に顔を埋める体制になってしまった。体制を直そうとすると抱き締められてもう、動けない



「おいっちょ、離せよ!」


「やだ」



「もー離せって!暑いわ!」



「なんで泣いてるの?」



「は?」




確かにさっき泣きそうにはなったが見られてないはず




「泣いてねぇよ」



「なんか悲しい事あった?」



「だから泣いてないってば!」




「にのが悲しいと俺悲しいよ」


とさっきよりもきつく抱き締められ頭を撫でなれた
すると丁度胸辺りに耳がきてあいつの心臓の音が聞こえて
何故が安心して




「……だから泣いてねぇって馬鹿」




お前はほんと話を聞かねぇ野郎だな…って笑っていえば




あいつは




「なら良かった!」って笑って




その変わらない笑顔を見ながら
ある歌詞を思い出した




―君があまりにも綺麗に泣くから
僕は思わず横で笑ったよ
すると君もつられて笑うから
僕は嬉しくて泣く 泣く――




君が泣くなら、僕も泣こう




君が笑うなら僕も笑おう






まるで恋人同士だねってあいつとなら何言われてもいいよ






一緒に死のう、






泣き虫と弱虫 終わり

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作者名:さつき | 作成日時:2017年4月24日 7時

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