いい子の不良.2【銀土】【逆3Z】 ページ5
.
惚れた以上は相手を捕まえたくなるのが人間の性である。
捕まえるまでいかなくとも、せめて振り向かせるくらいは。
運良く俺は今年に入ってからの土方先生の授業は1回も寝ていない。このまま『いい子』の振りを続けていれば、成績が上がっただの何だので声をかけてくれるだろう。声をかけられなくても、熱心な生徒として見られる。少なくとも、他の連中とは違った目で見てもらえるのだ。
付き合う、とまではいかなくても、俺にはそれで充分だった。
.
作戦は上手くいったようで、土方先生は俺のことを『熱心な生徒』として見てくれていた。
更に、昼休みや放課後に偶然を装って土方先生に会い、ついでに数学について教えてもらっていた。
もともと数学は嫌いだし授業も何言ってんのかちんぷんかんぷんだけど、少なくとも、寝ない、というのは効果があったようで俺の数学の成績は上がっていた。
こないだ寝てしまったのも運悪く1時間目に数学があったからだし、1回きりなので土方先生も特に気にしていない様子だった。
それどころか、「大丈夫か?」と声をかけてくれたりもした。
そうしているうちにだんだん授業以外の話もするようになった。と言っても、土方先生の愚痴(主に沖田関連)を聞くぐらいのものだけど。
前までの自分はそれで充分だった。でも、距離が縮まるにつれて新しい欲も出てくる。
もっと近づきたい。あわよくばあーんなことやこーんなこともしたい。
男同士だから方法はよく分からない。けど、俺の欲望はそこまで膨れ上がっていた。
いい子の不良.3【銀土】【逆3Z】→←いい子の不良【銀土】【逆3Z】
5人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:かきたね@ケンカップル厨 | 作成日時:2016年5月23日 20時