29 おわり ページ29
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『勇太…』
勇太の瞼がゆっくり、ゆっくりと開き
その目は真っ白な天井をじっと見つめている
『…勇太？』
もう一度、名前を呼ぶと
私の声を辿り勇太の黒目が確実に私を捉えた
あの日、その黒い瞳を見ることが
二度と出来ないんじゃないかと
怖くて堪らなくなって私は逃げてしまった
だけど今、彼はしっかりと瞬きをする
その姿を見るだけで涙が溢れてくる
そんな私を見ながら彼は目を細め
その手がそっと私の頬に触れていた
神「…A」
『…勇太…私…』
大好きな彼を失うのが怖くて…
彼を連れて終わらせようとしてしまった
ごめんなさいも、愛してるも
伝えたい言葉は沢山あるのに
何ひとつ言葉として出てきてくれない
出て来るのは涙だけだ…
それなのに絶望を感じた涙も
私を守って目を覚まさない罪悪感の涙も
苦しかった涙の全てを
勇太がその手で一瞬で拭い去ってくれた
神「A…信じてくれて、ありがとう」
勇太の言葉を聞いた瞬間に
それは幸せの涙に変わって落ちてゆく
勇太はまた私に会いに来てくれた
願いを叶えに来てくれたんだね
勇太が一生掛けて叶えてくれると言った
私たち二人のあの願いを…
勇太に貰った小説の最後のページには
��どうしようもないくらい
愛し愛される日々が続いた��と
少しだけ書き足されたストーリー
いつか私たちの未来が
この物語と重なって行くように
願いを込めて＿＿
.
おわり
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莉衣子(プロフ) - きゅんさん» 初めまして。是非他のも読んでやってください！ありがとうございます。 (2021年1月10日 9時) (
レス) id: b19a23a34c (このIDを非表示/違反報告)
きゅん(プロフ) - はじめまして。読んでいくうちにどんどん引き込まれていって、最後には涙が溢れて止まりませんでした。莉衣子さんの作品他のもぜひ読ませていただきます！ (2021年1月10日 1時) (レス) id: 530e3ffe95 (このIDを非表示/違反報告)
莉衣子(プロフ) - Nさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます。 (2020年6月26日 13時) (レス) id: b19a23a34c (このIDを非表示/違反報告)
N(プロフ) - すごい泣きました。素晴らしい作品、ありがとうございました。 (2020年6月26日 12時) (レス) id: 909ed19fee (このIDを非表示/違反報告)
莉衣子(プロフ) - pipi_kpさん» コメントありがとうございます。読んで下さって嬉しいです。 (2020年6月24日 0時) (レス) id: b19a23a34c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：莉衣子
| 作成日時：2020年6月20日 10時
