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私と日向くんで、いつも通りの道を、歩くことになるなんて…
考えたことも、ありませんでした。
西澤さん、ごめんなさい…！
私は、隣にいる日向くんを横目で見てみました。
会話という会話はした事がなく、強いて言えば、朝の挨拶くらいしか話してません。
3人組を作る時は、私、西澤さん、日向くんで組んでいましたが、特に話していません。西澤さんや日向くんが話しを振ってきた時に、相槌を打つだけです。
…なのに…何故…
話のレパートリーが、尽きないのでしょうか…？
私は、1回、日向くんに話題を振ってみました。
幸い、ネタもありますしね。
「あの、今日はすみませんでした…気が動転してたとはいえ、あんな、失礼な態度を…」
「…？…ああ！気にしないで。知らない宇宙人を見ちゃった時に、知らない家に寝かされてたら、誰でもあんな反応をすると思うから」
「日向くんは、例外そうですけどね」
「あはは」
ふふ、と笑うと、少し顔が赤くなる日向くん…
…もしかして、これって、いや、でも…
ち、違いますよね！自惚れてはいけません！
きっと、あまり女性と話したことがないから、顔が赤くなってるんです！
そうです、そうに違いありません！
1人で自問自答していると、日向くんが声をかけてきました。
「あの、神田さん」
「は、はい！？ななななんでしょうか！？」
いきなり声をかけられ、驚いてしまいました…
心臓に悪いですよ…
少し笑いながら、日向くんは言葉を続けました。
「神田さんは、好きな食べ物…とか、ある？」
「食べ物…ですか…」
食べ物…好きな物…
強いて言うなら、あれでしょうか？
私は、左上を少し見てから、日向くんの方に顔を向けました。
「そうですねえ…強いて言うなら、…カレー、でしょうか？」
「…カレー？」
「はい！友人が、私のために作ってくれる…って、約束してくれたんです！それだけで…嬉しいんです」
実は、起きた時に、メールが入ってたんですよね…
それを見たら…クルルが、カレー作ってくれるって書いてあっんです！
嘘でも、嬉しいんです。メールを送ってくれて…
だから…だから…
「…帰らなきゃ…」
「…？神田さん？」
ごめんなさい、日向くん。
私の家、まだまだ先なんです。
半分も、歩いてないんです。
…でも…もう、帰らなきゃ。
神田優華…ではなく、北城睦実の従兄弟、北城Aの姿で…
私は、日向くんに、お別れの言葉を告げました。
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