2話 ページ3
,
起きたら、睦実兄はいなかった。
隣に温もりはない…大分前に起きたみたい。どこにいるんだろ?
早起きしたのになー…あ、そういえば今何時だろう?
私は、壁にかけてある時計を見た。
…5時30分28秒。私にしては早起きだよね!
私は、自分の部屋に戻り、パソコンをいじり始めた。
ログインのためのユーザー名は延縄、パスワードは032505380042…ウイルスのファイルはTarget to kill 365…
打っている途中で、ドアが開く音がした。
ビックリして、思わず、後ずさりをした。
「ごめんごめん。手伝おうと思ってね。ノックはしたんだけど」
「…ごめん、聞こえてなかった」
入ってきたのは、睦実兄だった。
ビックリした。だって、家にいたから。
てっきり、ラジオ局に行ってるのかと思ったのに。
睦実兄は、そんな私の心情を読み取ったのか、笑いながら話し始めた。
「昨日言った宇宙人に、おもしろい物を貰っちゃってさ。それで、行き来が楽になったんだ」
「…あ、会う暇がなかったから、知らなかった…」
昨日の宇宙人。たしか…クルルだっけ?
そうちょうさんで、凄い人…らしい。
聞いたところ、実体化できるペンを貰ったらしい。暇がなかったからスルーしてた…
そんなことを思っていると、後ろから変な生物が出てきた。
とりあえず、フードで隠しておいた。
フード好き。
変な生物は…クルルは、変な笑い方をした。
多分…クックックッ…?
「クックック…」
あ、クックックッだった…当たってて良かった…
とりあえず、挨拶しないと!
私は、変な生物の前に行き、同じ目線になるために座った。
そして、フードを取って、微笑みながら自己紹介をした。
「初めまして!睦実兄の…従兄弟?の、北城Aです!えっと…たしか、13歳?だと思う…?特技はコンピューターで、好きな事はネットサーフィンです!昨日はちょっと忙しくて…会えなくてごめんなさい……よろしくね!えっと…クルル…?」
「…よろしく頼むぜ」
狼狽えたように下がるクルル。
なんかやったっけ…?まあいいや!
あ、そういえば…ちゃんと、念には念を押さないと…
睦実兄も合図だしてるし…
私は…クルルに、微笑みながら…クルルに、念を押すことにした。
「あ、そうそう、クルル。言うの忘れてたけど…」
「なんだい?」
自分の表情が、暗くなるのを感じた。
まあ気にしない。クルルは怯えてるけど、これくらいがいいか。
「…顔と名前、誰かに言ったら…駄目だからね?」
26人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ