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「あー、俺も目星はつけてたんだよね」
…ありゃ、先越されちゃった。
やっぱり、サブロー兄は凄いなあ…
だって、私はさっき気づいたのに、サブロー兄はもっと早く知ってたんだもん。
やっぱり、凄いや。
私は、あー、と言ってから、会話を続けた。
「やっぱり、気づいてたんだ。まあでも、居るって確信はなかったと思うし、ちょうど良かった…のかな？」
「正直、これからどう攻めるか迷ってたから、助かったよ。ありがとね、優華」
「えへへ。褒めてもらえて嬉しいよ」
これからも、頑張らないと。
1人で、勝手に、そう思った。
暗い夜道を歩きながら、自分達の家を探した。
周りが暗すぎて、ほぼ何も見えないけど、心は暖かくて、光が灯っている気がしてきた。
こんな事を思う余裕があるのが、どれだけ幸せな事なのか。昔はよくわからなかったけど、今ではよくわかるようになった。
サブロー兄に助けられてなかったら、今頃、どうなっていたのだろう？
きっと、友達や家族に会えない日々を送る羽目になっていたのかな？
わからないけど、きっとそうだ。
考え事をしていると、いつの間にか家に着いた。
玄関の扉を開け、
「ただいま〜。遅くなってごめんね、クルル」
「クルルー、帰ったよー」
「おう。夕飯の準備はできてるぜぇ」
帰りの挨拶をした。
睦実兄は、相変わらずの調子だねえ。
私は、洗面台に行き、顔を洗った。
あ、変装メイク落ちた。化粧落とし使ってないのに…何故？
まあいっか。そう思いながら、部屋に戻った。
制服をクローゼットにかけ、いつも通りの服装に着替えた。
あー…フード被ってる時が1番落ち着く…最高…
でも、この上着、袖が萌え袖になるんだよねえ。パソコンが使えなくなるのが難点…
リビングの戸を開け、
「やっほー！クルル、たっだいま〜！いい匂いだねえ、やっぱり、今日の夕飯はカレーなのかな？うん！私の鼻はきくから間違いない！作ってくれてありがとう！あ、もう分けた後なんだ！私の食べる分とか完璧じゃん！これは睦実兄がやったのかな？いつもありがとうね睦実兄！あ、睦実兄ってちょっと言いにくいから、睦兄って呼ぶね！」
「分けたのは俺だってよくわかったね。どういたしまして。あとクルルが話についていけてないから、もう少しゆっくり話そうね」
あ、本当だ。ポカーンってしてる。
私は、元気よく返事をした。
「あいあいさー！ごめんねクルル！」
「いいぜえ、少し驚いただけだからよお。クークックックッ」
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