1話 ページ2
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「ううっ…落ち着いた…」
「それなら良かった」
微笑みながらそう言う、従兄弟のサブロー兄。
…もとい、睦実兄。
外ではサブロー兄って呼んでるけど、ここでは睦実兄。
だって、家だもん。
あ、家ではフードも取ってるよ!
微笑みながら、ちょっと黒い笑みで、
「で、今何時か、わかってる?」
と、ちょっと怒りながら言ってきた。
見てみると…え、2時!?
「え…もう2時…?」
「今日は、寝る時間には終わりそう…って、言ってたのは、誰だっけ?」
「ご、ごめんなさい…」
子供みたいに頬を膨らましてから、プンプンしてる睦実兄に、ちゃんと謝った。
家の主である睦実兄には、逆らえない。
というより…逆らいたくない。
だって、優しいから。
…理由になってないよね、あはは…
私は、睦実兄を見られなくなって、俯いた。
ごめんね、睦実兄…
上からため息が聞こえてきたと思ったら…頭をポンポンされた。
へ?と思いながら上を向こうとすると、頭を抑えられた。
…地味に痛い…
「怒ってないよ。ほら、早く寝な?」
「うっ…でも、ウイルス…」
「それ、明日の朝やっても、間に合うんじゃない?見たところ、増殖しなさそうだから、明日やっても間に合うと思う」
「…めんどくさいタイプだからいいや…明日サボろう。寝たら頭もサッパリするだろうし…あ、そうだ!」
「?」
頭にクエスチョンマークを浮かべている睦実兄に、ある提案をした。
「一緒に寝よう?睦実兄!」
「…え?」
「だってだって…さっきのウイルス、鹿の顔が裂けてバリバリいって…」
「ああ、そういうことね…」
どういうことかと思ったんだろ?
まあいいや!
私は、自分の部屋から出て、睦実兄の部屋に行き、ベッドに直行した。
うん、さっきまで寝てたんだね!ごめんね!
それに続いて、睦実兄も入ってきた。
完全に苦笑い…ごめんね!睦実兄!
「…おやすみ、睦実兄」
「ん、おやすみ」
…明日は、早起きしないとなあ…
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