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「あ、Aちゃん!」
そんなズブズブ八角関係を展開していると、その元凶が彼女に声をかけてきた。
光の速さで後ろを振り向いた彼女は頬を赤く染めて眉を下げながら口を開く。
「まふくん〜!!!会いたかったよ〜!!!!!」
そらるより、天月より、真っ先に自分を見つけてくれたことが嬉しくて自然と猫撫で声が出るAに、勿論ふたりはドン引いていたがそんなことどうでもよくなるほど既に彼女は彼に夢中だ。
ふたりの存在を頭の中から抹消してえへえへと必死に媚を売るAにまふまふは唇を綻ばせて笑う。
「あれ〜そらるさんと天月くんも揃って三人で何話してたんですか?」
「いやべつにまふまふは何も知らなくても……」
「まふくんの初めてについて話してたよ?」
「Aちゃん!!!!!!!!!!!!」
天月がAの頭を勢いよく叩く。ちなみに、この叩きには女の子なのにそんなことを想い人の前では言ってはならないという意味と自分たちまでもが変態に見られそうだったのでそれについての窘めという意味も含まれている。
「ちょっとなにするの天月くん!!!!」
「恥じらいって言葉知ってる?!ほらまふくんだってこんなに困って……」
「うん?ボクは童貞ですよ?」
「まふまふ言うな!!!!!!!!」
「え……つまりまふくんの童貞と処女は私が奪えるということ……?!?!」
錯乱するA。必死に彼女からまふまふを遠ざけるそらる。そして同じく必死にまふまふを守る天月。
カオスである。もう一度言う。カオスである。
「まふくん逃げて超逃げて今物凄く君の大事なアレが危ないから」
「え、どうして?」
「なによ天月くんとそらるさんだって処女がいいくせに」
「いや……まあ……そりゃ……できれば、ね」
「天月くん何照れてんの気持ち悪い」
「怒っていい?」
「いいと思うよ」
「そらるさん勝手な許可出さないでくれる???」
いつの間にやらちょっとした口論がとっ掴み合いに発展してしまった。全ての元凶がこの常識を飲み込めず目を泳がせながらオロオロと困惑する。
そして、何かを決したかのように唇を結んで目の前にいたそらるの手を両手で掴んだ。
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作者名:けい | 作成日時:2019年6月30日 23時