。+°11memories°+。ver.番外編3 (ページ24)

今日:16 hit、昨日:0 hit、合計:4,470 hit

99ページ紫蘭ページ24

杏樹のフランスへ行く、という事が頭の中でグルグルと回りっぱなしで放課後の部活、サッカーなんて集中できなかった。

今は休憩中。アタシはベンチで休んでいた。

ドリンクを一口飲み、ため息をつくと目の前に鏡夜が立った。メガネをクイッとあげてこう言う

鏡夜「....杏樹さんのこと、ですよね？」

紫蘭「！....さぁな」

合っている。杏樹から聞いたのだろうか

鏡夜「隠しても無駄ですよ。僕にはわかるんです。確かに杏樹さんがフランスに行ってしまうのは僕でも嫌だ。....ですが、僕達は親友です。どこにいても繋がっています。...応援してあげるのが一番ではないでしょうか？杏樹さんだって一生フランスにいるわけではないのですよ。大人になれば日本へ帰ってくるはずです」

鏡夜の言葉が心に染みた

応援が一番....か。

紫蘭「....そう、だな。一生いるわけじゃねぇもんな。」

大人になれば帰ってくるはず。鏡夜はやっぱり説得力あんな....負けるわ

「紫蘭ちゃーん！！！！」

校舎の方からアタシの名前を呼んで、走って来る杏樹が見えた

鏡夜「僕が呼びました。....さぁ、伝えてください」

鏡夜の方を見て、頷き、杏樹に駆け寄る

紫蘭「....あの、スマン。つい怒鳴ってさ。....杏樹がフランスへ行くのが寂しくて....だけど鏡夜に言われて応援が一番だってわかった。....頑張れよ」

アタシなりの精一杯の応援

杏樹「！！....うん！もう紫蘭ちゃん大好きー！」

杏樹にギュッと抱きしめられた。苦しいんだが

紫蘭「あー、ハイハイ」

杏樹「もう流さないでよー！」

....アタシの親友杏樹。どこにいたって繋がってる。アタシは杏樹を応援する。

そして３日後、杏樹はフランスへ行った。

空港でクラス全員で見送った。

日本で元気にアタシは待ってる。そう心の中で誓った。

誓ったのに...またサッカーに集中ができなくなり、スランプに落ちた。